日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

今日の戦利品

渋谷レコファンに和モノCityPopハンティングにお出かけし、膨大な100円コーナーという荒野を彷徨った末に獲得した獲物11枚=1100円−会員割引10%OFFで990円(税抜)。なんか正直アーティストに対して申し訳無いという気持ちでいっぱいになるので、せめて正直かつ出来る限り丁寧にコメントを書くことにしようと、3日間という結構な時間をかけて一枚一枚聴き込む (その他にも、オークションで入手した Swedish Pop 名盤なども併せて計14枚)。正直食傷気味になるのではないか、とも思ったけど、80年代 CityPop の奥深さに触れるにつれ 「これは絶対に懐古趣味なんかではない」 という想いが確信に変わる気がした。以前から愛聴している 門あさ美 の素晴らしさは勿論ですが、今回は、金子晴美、杏里、山本達彦に脱帽ですホントに。

  1. 金子晴美 「I LOVE NEW YORK」 ※ジャケット(上記画像)を手にした瞬間、何か強烈な引力を感じた一枚。で、蓋を開けてみて驚愕しきり、なんとボブ・ドロウがプロデュース・編曲、そしてデュエットしているではないか。音の方も、よく晴れた日曜日の朝のキラキラした感じが似合うよな、まさしくボブ・ドロウ特有の洒脱さと優しさ溢れる名曲揃い、そして当然ながら金子晴美の歌声も自然体でとても可愛らしい、そんな至福の一枚(Jazz Vocalもの)



  2. 山本達彦 「Mediterranee」 ※実はその肩にセーターな貴公子具合から敬遠していたのだけど、自分の偏見を後悔するハメに・・・ラテン風味でダンサブルに弾けるA-1から、アーバンメロウなA-2、アッパーなジャズ風情のA-3と立て続けに素晴らしい楽曲が続き圧倒される(AORとして完璧な仕上がりです)。もうアーバンメロウの嫡子というか、肩セータやタキシードは伊達じゃないです、全てが自然体でかっこいいです、もう脱帽そして絶句です(貴公子を100円でゴミのように売ってはいけません>レコファン



  3. 杏里 「TIMELY!」 ※南の島、青い空、明るい太陽、白い壁、ボーダーシャツで構成される、まさに爽やか爽やかしたイメージのジャケ写が全てを物語る名盤。特にA-2〜4、B-2が83年特有のキラキラ具合炸裂で最高。



  4. 井上陽水 「スニーカー・ダンサー」 ※えっ、陽水って、こんなフィリー風味でライトメロウなのが似合うンだ、と驚いた一枚。A-1のフィリー風味なハネ具合、A-2の陽気でラテンなハネ具合、A-3のお気軽レゲエなハネ具合、B-2の潮風を浴びながらソフトクリームで夢うつつなポップス魔法炸裂具合と、かなりな名曲揃い。





  5. 門あさ美 「ホット・リップス」 ※そのセクシーなイメージが先行して敬遠されがちだけど、僕の中で門あさ美は、佐藤奈々子と双璧をなす80年代を代表するフィメールシンガー。そして、このアルバムは、カリビアンだったりキューバンな味付けのミディアムメロウ具合に安心して身を任せられる、昼下がりのアンニュイが似合う名盤 (100円故か盤質が最悪なのが残念・・・)



  6. 門あさ美 「Fascination」 ※昼下がりのアンニュイが似合う歌姫様な門あさ美の1stにして名盤な一枚。ライトメロウという言葉はまさに門あさ美のためにあるのでは、なんて大袈裟なことを口走りそうになる程に、甘美で麻薬的にメロウな音世界 (100円故かまたも盤質が最悪・・・)



  7. 松田聖子 「Canary」 ※僕の中では松田聖子と言えば 「Windy Shadow」 なので、そちらと比較すると全体的に非常に「大人しい」印象の一枚。どちらかと言えば、スルメ or Die という感じで、暫し寝かせて再聴するのがよいのかもしれない。



  8. 堀川まゆみ 「エルム通りの少女」 ※松任谷正隆編曲・作曲の文言で手に取った一枚。で針を落とすと、どうも歌謡曲ともCityPopともつかない中途半端なサウンドが微妙な具合・・・中途半端の原因はVo.が大して歌唱力がないからなのか、どうなのか(ボサ風味な編曲とか、松任谷氏定番のクールなエレピとか、佳作になれる要素はあるのだが)・・・





  9. 松野こうき 「アナザー・サイド」 ※「鈴木茂佐藤準編曲」の文言だけで手に取った一枚。あまり期待しないで針を落とすと、いきなり1曲目がさすが鈴木茂という具合のオールドタイミーな編曲・演奏で「おおっ」と期待が高まるも、2曲目以降は何かアニメ主題歌のような大袈裟な歌い方とメロディに閉口(60年代前半の幸せ米国ポップス感漂うB-5は編曲・演奏は最高なんだけど、声がねぇ)・・・



  10. イルカ 「Follow Me」 ※イルカというと、なんか「ベタベタ+ジメジメ」したイメージが強かったのですが、このアルバム聴いてびっくり。ドライで少々ハスキーなVo.が結構かっこいいのだ。ほぼ全曲の編曲を鈴木茂が手がけ、バックもティンパン系で固めてるのが大きいのかも(特に、さすが鈴木茂なオールドタイミーでスインギーな演奏のB-2とか、松任谷正隆のエレピがポップに絡むB-3とかがよい感じ)



  11. 八神純子 「思い出は美しすぎて」 ※A-1の大村雅朗編曲のボサ調メロウのミディアム以外は、基本的にヤマハポプコン系特有の「ベタベタとした感情表出」具合が支配していてあんまり心地よく無いかも(A-1が結構いい曲だったので残念)・・・



  12. evening light 「landscape」 ※あの頃の「サラ」や「タンバリンスタジオ」なサウンドを継承した、まさに久々に出会えた正統派「ネオアコ」サウンド新作(5曲全てが完璧!)。Softies や BlueBoy のように繊細でいて、初期 Club8 のように儚い女の子Vo.がとにかく素晴らしい(左のリンク先で試聴できます)





  13. blissful 「The Blissful Orchestra」 ※ SwedishPopにとっては忘れられない95年の作品。無駄に力が入りすぎて空回り気味な男の子 Vo.が「う〜ん減点」という感じだけど、ブラスやオルガンがこれでもかってぐらいマジカルに展開し、振り絞るよなセツナサで青春的熱情が炸裂する、そんなポップ魂に思わず涙します



  14. leslies 「totally brilliant」 ※ SwedishPop 96年名盤。カラフルなヴィブラフォンがマジカルに転がり、青春ホーンが高らかに鳴り響くまさにタンバリンスタジオな音。男の子 Vo.もあまり力まずセツナサ重視なのが好感。春の訪れの予感が、何故だか僕をむやみやたらと SwedishPop に駆り立てる、そんな感じ