日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

今日の戦利品


Joao Gilberto 「Joao Gilberto in Tokyo」

ジョアンのライブ盤は全て購入しているのだけど、今回のはチケットが買えず行けなった昨年の来日公演の録音ということで、否が応でも期待が高まる一枚でした。そして家に帰って、とっておきの中国茶を淹れて、部屋の明かりを弱くして、どかりとソファに身をまかせてと、夢時間で呆ける用意をして、じっくりと聴いてみる。

その全15曲に身を任せた感想は、陳腐な表現になってしまうがとにかく「素晴らしい」の一言。このライブ盤は、2003年9月12日の会場のPAからダイレクトにDATに落とした音源を、そのまま編集無しでCD化したものらしいのだが、本当に奇跡としかいいようがない音がそこには記録されているのだ。

そして、ジョアンは最初にこのDATを聴いた時こう言ったそうだ「僕はここに何かメタフィジクなものを感じている」と。それは、声とギターと空間という最小限の要素で、即物的で具体的な「形象」を超えた、まさにメタフィジックでイデア的な「何か」を顕現化すべく探求してきた彼らしい言葉だと僕は思うのだ・・・