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日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

小田扉 『江豆町ブリトビラロマンSF』


上記は、小田扉が「QuickJapan」誌に連載してた漫画の単行本で、作品としては6冊目にあたるものだなス。で、この作品ですが、フォーマット的には「尻切れトンボで未完」という感じなのだけど、そんなことは「どうでもいい」と思わせるぐらいに、舞台設定(江豆町)、登場人物のキャラ、各話のプロットがとてもよくできているのだなス。

なんというか非常に乱暴な例えをすると、ベースはカート・ヴォネガット(作品で言えば「スラップスティツク」とか)的というか、解りやすくダークで状況不条理的な「その手の小説」を揶揄するかのように「ありふれた日常性」を装いつつも、随所に一寸思いもよらない突飛な空想力に溢れた「異常なディテール」が散りばめられていて、全体として何だか不思議な雰囲気を醸し出す、という感じ。
で更にいえば、ブローティガン的(作品で言えば「バビロンを夢見て」)というか「のび太0点家出編」的というか、その空想癖とヨリミチがちな性分ゆえ、上昇指向とか横並び指向の流れからオチコボレちゃった、どうしようもなく駄目な人間達への慈愛がにじみ出てる、という感じ。

最近摂取した音楽以外のコンテンツでは、この作品とエド・ウッドの『プラン9・フロム・アウタースペース』が最高に素晴らしいと手放しで絶賛できる感じだなス。


蛇足:この作品と同時に購入した、西島大介の「凹村戦争」は、もう「サブカル系知識人」がしたり顔で臆面もなく語りたがりそうな「安易な餌」がばら撒かれすぎで、非常に賢しくて嫌な感じだった。。。