日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

リズムって大事っていうお話


JEFF BECK GROUP / Rough & Ready


ここ数日嬉しいぐらいに暑くて溶けそうなので、こんな時はジャマイカ産DUBのレコード = その特長は盤の中心の穴がずれてる&ベコベコ反ってる故の「謎な回転」が紡ぎだす微妙な揺らぎで「ゆらゆら」の「ヘロヘロ」だぁ、と思うものの、なかなかに仕事が忙しくてそういう訳にもいかない。。。で、次善策にて手にしたのが、高校時代からの愛聴盤のこのアルバム。

私は趣味のベース弾きなのですが、高校時代に出合ったこのアルバムと、ここでベース弾いてるクライブ・チャーマンに完全に魂持ってかれました。とにかくミドルブーストな音色で、まるで讃岐うどんのようなコシの強さでハネて、ハネまくる、ブラックなベースサウンド。僕がベース弾く上で、激しく影響受けました、コピーしまくりました、アンプのツマミ回して音色も随分と研究しました、もうホント師匠様って感じで尊敬してます。特に6曲目の「New Ways Train Train」は本当に鳥肌もんのかっこよさです。

で、なんで特にこの「アルバム」が最高かっていうと、ドラムがコージー・パウエルだから、というのもあります。コージー・パウエルはハードロックの世界の人なので、とにかく野獣のようにパワフルで、どすンどすンと非常に重たい音でスネアもバスドラも叩きます。が、ただの野獣ではなく理性のある野獣なので、基本的にビートはダウンビート寄りで割とメトロノームに忠実な感じです。で、そんなドラムの上を、チャーマン師匠は PUSH(メトロノームのカチカチより若干早めでツンノメル感じに弾く)と PULL(同じく若干遅めにダルに引きずるような感じで弾く)を巧みに使い分けて、ビートをコントロールしています。ベーシスト的には、ドラムが常にPUSH気味で叩かれると、どうにもPUSH/PULLによる「ノリ」の制御の選択肢が狭まってしまうものなので、コージー・パウエルという相棒はまさに師匠にはうってつけ、だったのでしょう、ホントニいきいきと楽しそうに弾いています。


ところで、何故かここから話題が急遽ジャンプしますが、まぁご容赦を。で、どこにジャンプするかというと、映画のシーン切替(= transition )の間というか、ビートの話です(あぁ長い前振りだったかなぁ)。

というのも、日曜日に最近仲良くなった友人(笑いの波長ドンピシャ最高ス!)とエド・ウッドの映画の話をしていて、僕が「彼の映画のシーン切替のリズムはなんだか、『よし今だ』ってとこから絶妙に外した不思議なタイミングで切り替わるのがスゴイ」みたいなことを言ったら、友人が「映画のtransitionは普通はシーンの切替を意識させないよう、自然なタイミングで切り替えるのだけど、人によっては敢えて拍子のウラで繋いだりする」っていうようなことを言っていて。でここ数日感、なんとなくぼんやり考えていたら、映画のシーン切替の間のとり方は、ベースをPUSH/PULLで弾くことと同様、実は映画の全体的な「ノリ」を司る非常に重要なファクターなのかなぁ、と思ったのです。そして、その視点からすると、史上最低の映画監督と呼ばれるエド・ウッドですが、彼は実は誰にも真似できない天性のリズム感を持っている、とんでもない人なのでは、と思ったのでした。

と調子よくここまで書いてきたものの、ぶべら(擬音)、話がまとまらなくなってきたぞ(ということで、続きはまた明日)。。。