日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

今日の一曲: Ride into the Sun


Luna / Slide-[EP] ASIN:B000005ISN


とにかくこのCDを聴いて欲しい、いやこの一曲だけを聴いて欲しい、だなんてどこぞの音楽誌みたいな書き出しで恐縮ですが、いやホントのホントにこの曲は「いい曲」なんス。而してその曲名は「Ride into the Sun」。この曲は Lou ReedVelvet Underground 時代にインストとして作曲*1、後に最初のソロアルバム*2で歌付きで発表された、のですが、これがまぁ、せっかくの超名曲が台無しになるぐらいのヒドイ有様。
主たる原因は、Steve Howe のトコロ構わぬカントリー風味万点のギター*3、なんですが、アレンジも半端でさえないことしきり。インストの方は、アフターアワーな感じ溢れる、素晴らしいアレンジ(演奏)なだけに「このぉ、なにさらすんじゃ、このボケ」と Steve Howe を一喝したくなる按配なのです、本当に。。。


ということで、まず素晴らしいその「インスト版」の方を聴いてみましょう*4。「Ride into the Sun」 ( Another View 所録 ASIN:B000001FJS

で、本題の Luna のカバーバージョンがこちら ( Slide-[EP]所録 ASIN:B000005ISN


ココでは、肝心のギターソローの部分が聴けないので、アレですがその素晴らしさの片鱗は窺い知ることはできるでしょう。Amazonでレビュー書かれてる方の「Ride into the sun を聞くだけでも価値がある」という言葉は、まさに真理です。騙されたと思って是非聴いてみておくんなせぇ、後悔はさせやせん。拙者の音楽人生を賭した一曲でごぜいやす*5

然るに&果たして拙者はこの曲に何度救われたことでしょうか*6。拙者の大好きな、真冬(12月末〜2月)の午後3時40分頃の、弱くて遠い太陽の光が、周囲を黄金に染め抜くアノ光景に向かって、ヘッドホンでこの「Ride into the Sun」を聴きながら、恰も「太陽に」向かって、その寂寥に向かって意識をダイブさせるかの如く、或はヒステリア・シベリアナ*7に憑かれた夢遊病者のように歩いたものです。

という訳で、秋の始まりを感じたところで、突如意識が冬に飛んだので、こんな戯言を書き連ねてしまいました、とさ。おしまい
 

*1:Peel Slowly and See [BOX SET] ASIN:B000002GM5 にもオルガン主体の別テイクあり、だがコレも駄目

*2:Lou Reed 所録 ASIN:B00004LCBS

*3:あ、Steve Howe は大好きなんすよボク。YESの「究極」や「ドラマ」とか、ASIA の Ride Easy では、バロック調な鍵盤に逆らうようなカントリー奏法の外れ具合が逆に素晴らしい効果を出しているのです

*4:amazonのサイトで試聴できます

*5:って、拙僧が作曲・演奏してる訳ではないのですが、ついつい熱くなってしまうのです

*6:人生相談、もしくは寅さん風

*7:村上春樹国境の南、太陽の西」243頁参照