日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

私の音楽史(1):90年代初頭 UKネオアコ編


もう暫くで人生の「分水嶺」ともいうべき年齢:35歳を迎えるにあたり、自分の聴いてきた愛すべき音楽達を一度総括的に評価してまとめてみよう、という気持ちが「ふっと」心の底から湧き上がってきた。ということで、35歳を迎える11月に向けて、自分を形成する上で多大な影響を与えてくれた、素晴らしき音楽たちへの感謝の念を込めて、それらの音楽達をジャンル別にセレクトしようという、自分史:中間報告企画です。細かいところで誤謬や偏見があるかもしれませんが「それはそれ」、あくまでも個人的な総括なので…

ということで、記念すべき第一回は、僕の中で「青春」という言葉とともに切なくキラメく、90年代初頭 UKネオアコ編。個人的にこの頃は、今は無き「Quattro WAVE」とともにあった、と言って過言ではない。La-Di-Da や Sarah レーベルのセツナくも爽やかなギターポップは、あたかも「幻想的で穏やかで、でもどこか切ない春の陽射しが、穏やかにキラキラと波間で反射する春の海のように」僕にとってはその「千光年を超えた」キラメキの一瞬の刹那と微熱の残滓が、本当に「キ・ラ・メ・キ トゥモロー」な感じだったンだ。ネオアコというと、聖地:グラスゴー系も大事な愛聴盤がたくさんあるけども、以下で取り上げた5枚への思い入れの強さには敵わない、そんな感じ。


JOHN CUNNINGHAM 「BACKWARD STEPS」

ジョンカニ君の記念すべき1stミニアルバム(89年)。何もかもがパーフェクトで、本当に未来永劫、僕の青春の一枚であり、至宝のネオアコ名盤 from La-Di-Da。米国音楽の小出亜佐子さんによる名言「これを聴くと、寒い冬に暖かい部屋でホカホカのココアを飲んで和んでいるような気分になれたものです」って、これ以上の誉め言葉はないです、ホントに。

http://www.netlaputa.ne.jp/~woodbeez/fab/fab14.html
blueboy 「if wishes were horses」

ジャケ写が象徴的に示すように、a distant shore や North Marine Drive の精神の正当な後継者であり、個人的には Sarah レーベルを代表する一枚と思う、まさにネオアコ名盤(92年)。水墨画のようなモノクロームの濃淡、シーズン外れのブライトンの誰もいないビーチの静寂と微熱を帯びた孤独、或いは歓喜の瞬間に流れる通奏低音のような虚無感。

http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Vocal/7303/neoaco3.htm
RIVERSIDE 「ONE」

92年米国産のネオアコ名盤。ジャケ写のイメージそのままな、清涼感とほのかな寂寥感がなんとも「青春」ぽい感じで、blueboy と同じようなUK特有のキラメキと翳りを併せ持つ、そんな一枚。爽やかで澄んだ空気が「意味なくセツナク」僕の心を締め付けるような、そんなボストン郊外の紅葉の風景が脳裏に浮かんでくる感じ。

http://www2.plala.or.jp/peri/review3.htm
The Lilac Time 「Paradise Circus」

辺り一面に広がる深い緑の草原、そんなイギリス北部の田園風景を彷彿とさせるライラック・タイムの2枚目(89年)。アコースティツクで素朴な原曲に、マジカルPOPな華やかさをそっと添える、アンディ・パートリッジ(XTC)のプロデュースが素晴らしく、とにかく12曲目の「work for the weekend」が当時大好きで、何度も何度もヘッドフォンで繰り返して聴いたっけ

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/8235/pick_up_3_2003.htm
heavenly 「heavenly vs. satan」

90年代前半の当時、ネオアコといえばヘブンリーだった、と言っても過言ではない、と思う。とにかく、デビュー当時のベルセバのように、音楽好きな普通っぽくて純朴な男女の友達が集まって作り上げた「ハンドメイド感」溢れるそのサウンドのキラメキは、百万年経っても色褪せることはない、だろう。そんな彼等の最高傑作がこれ(91年)。農場で羊に囲まれて録音してた、なんてエピソードは田園牧歌の先人:ヘロンを思いだせるンだな、なんとなく。

http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/5332/girlpop.htm

※多少の客観性を保つために、ネット上で見つけた同盤へのレビューへのリンクを併せて記載しています。