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日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

私の音楽史(2):ネオアコ聖地 グラスゴー編


第二回は、ネオアコ聖地:グラスゴーの素晴らしき名盤達と共に「我が身」を振り返ることに。これらの名盤達は昨日は敢えて取り上げなかったのだが、それはグラスゴーが僕にとってあまりにも特別な場所だから。

残念ながら、僕はポストカードのドラム猫ちゃんをリアルタイムで体験してなくて、グラスゴーを自覚的に意識するようになったのはアノラックの頃、それも VASELLINES の DUM DUM なんかが入り口だったので、どちらかというと末期の89年頃からなのだけど。でも、91年のオレンジジュースやブルーベルズCD再発を契機に、もう「わぁ〜」って感じで、とにかくグラスゴーグラスゴーって具合で、80年代のネオアコだけでなく、同時代の BMX や TEENAGE 等の 所謂 53rd&3rd 勢をとにかく、シングルレベルでガリガリ買い漁っていたのでした。

ところでスコットランドというと、ネス湖と古城と深緑の草原と、ハイランドの美味しいウイスキーというイメージなんだけど、彼等の音楽はまさにそんな感じ。表面上のナヨナヨ具合や「はにかむようなポップさ」のその裏には、まさに純度の高いハイランド・ウイスキーのような凛として気高い純真さが、ひっそりと、でも揺るぎない信念として佇んでいるのだ。「コワイ格好でヘンなことするより、普段着でヘンなことした方がよっぽどパンク」というロディ・フレイムの言葉が全てだと思う。本当に、根拠もなく威張り散らして空威張り、見掛け倒しでマッチョ(含む精神)な男どもにはうんざりなンだ。自分のヨワッち具合や駄目具合と対峙して、そいつを正直に認めるとこから全ては始まるんだ、なんてこと当時は真剣に信条としてココロに秘めていたし、今でもそれは変わらない。

余談ながら、アズテック・カメラだけは中学生の頃にリアルタイムで聴いていたのだけど、それは当時愛聴していた飯島真理さんのラジオで流れていたからなのでした。プリファブ、スタカン等、大学生のお姉さんが聴いてるちょっと大人びた音楽への素直な憧れ、僕が同時代の UK音楽を背伸びして聴くようになったのは、このラジオが契機でした(まぁ、その後高校生になってダークな音楽の方に沈んで行くのですが、それはまた別の機会に・・・)。


ORANGE JUICE 「You can't hide your love forever」 (1982)

1曲目の「falling and laughing」の歌詞に「全て」が書いてあると、その頃の僕は思っていた。「痛みと一緒の喜びが欲しいから、落っこってく落ちていく、笑いながら落ちていく」って、20歳頃の僕にはとても眩しくて、でも本当に共感できる感覚だった。ツンノメルように性急で舌足らずなベースやギターのカッティングが、なんだか「生き急ぐ青春」ぽくて泣けてくる。

http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/5332/basic.htm

aztec camera 「high land, hard rain」 (1983)

これまた3曲目の「walk out to winter」の歌詞に「全て」が書いてあると思ったンだ。「Walk out to winter, swear l'll be there. Chill will wake you, high and dry you'll wonder why」敢えて日本語にしないけど、この感じが本当に僕には誇らしく思えたし、例え周囲を取囲むエゴや規範論の喧騒にうんざりしていても「そんなの、それ以上でもそれ以下でもないンだ」よって僕は静かにやり過ごしてたよ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KZ9/250-4291561-8774618

THE BLUEBELLS 「SISTERS」 (1984)

84年という時代のマジックなのか、とにかくポジティブな時代の空気を吸い込んでキラキラと輝くギターのアルペジオと、まるで澄んだ空を飛ぶ一羽の渡り鳥のように伸びやかで開放間のあるメロディとハーモニーは、その力まず伸びやかな自然体ゆえに聴き飽きることがない至福の一枚。こんなにキラキラと眩い音楽は、おそらくというか二度と生み出されることがないと思う(やっぱり84年特有の空気感なんだろうな)

http://www.d6.dion.ne.jp/~jirowe/reviewpt73/reviewpt73.htm

FRIENDS AGAIN 「TRAPPED AND UNWRAPPED」 (1984)

このアルバムも84年という時代のマジックの産物。なんてかな「春だ春だぁ」ってウキウキ浮かれて、口笛吹いてノリノリで肩揺らして頭上のサクラを眺めて自転車こいで、気付けば電柱にズドーン、なんて、まるで「めぞん一刻」の五代君のような妄想一直線を誘導する感じ。とにかく、1曲目の「lucky star」は人を簡単にウキウキラビリンスに誘う魔力があるので、運転中にカーステで鳴らさないのが賢明です。

http://jun-27.hp.infoseek.co.jp/recommend/recommend07.htm

TEENAGE FANCLUB 「A CATHOLIC EDUCATION」 (1990)

10代後半の暗闇音楽愛好時代から抜け出す契機となったのが「アノラック」だった。この辺りのバンド(53rd&3rd勢とか)は本当はもっと取り上げたいのだけど、最初に買ったのがこのCDだったので、音楽史的な観点でセレクト。飄々としてヘナヘナな歌声と、疾走轟音ギターにバタバタドラムが初期のこのバンドの特長。メロディにどこか秋の寂寥的な哀愁が漂うのもまた良しって感じで、音的にはニール・ヤングの子孫。

http://www7.plala.or.jp/tomikyu/tfc/catholic.html

TRASH CAN SINATRAS 「I've seen everything」 (1993)

1枚目のロックな感じよりも、僕はこの「寒い冬に暖炉の前で室内楽的」な2枚目の方が好きだ。そしてこのアルバムは UKトラッドフォーク好きな方々もベストとして推すだけあって、とにかく全てがアコースティックに柔らかくて、まるで暖炉の前でシンシンと降り積もる雪を眺めるようなステキな音楽。1曲目から最後までゆったりと安心して身も心も預けることができるので、心身ともに芯まで暖まります。

http://lowlife.lolipop.jp/blog/archives/cat_my_itunes.html#000331

BMX BANDITS 「GETTING DIRTY」 (1995)

BMXは全アルバム素晴らしいし、Vo.のダグラスのソロ作品も素晴らしいんだけど、その中でも僕がベストと思うのが「春の小川」のカバー収録のコレ。BMXを一言で表現するなら「春の陽だまりでほのぼのお昼寝」という感じなんだけど、この作品はひときわその「スプリングなほのぼの感」が強く、全曲捨て曲無し。CDを無限にループ再生すれば、まさに永遠に「陽だまりでお昼寝」感を満喫できる、そんな感じ。

http://www.ipc-tokai.or.jp/~ak-msy/Ruins/music/fav/95may2.html#dirtylp

BELLE AND SEBASTIAN 「If You're Feeling Sinister」 (1997)

現在のグラスゴーを代表するバンドといえば、このベルセバ。とにかく来日公演には欠かさず足運んでるぐらい、ここ数年リアルタイムで大好きなバンドの一つ。中でも6曲目の「get me away from here, l'm dying 」はこのバンドのベストトラックで、本当に音楽が好きで良かったなと虚空の抽象(神様)に向けて感謝の言葉を述べたくなるぐらいに大好きな感じ。ニック・ドレイクやドノバン等などの UK音楽の伝統を全てほど良く昇華して、懐かしくも新しい音を紡ぎだした、そんな素晴らしい一枚。

http://www.kanshin.com/index.php3?mode=keyword&id=64666

※多少の客観性を保つために、ネット上で見つけた同盤へのレビューへのリンクを併せて記載しています。