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日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

私の音楽史(5):中学生それは覚醒の時 -CITY POP編-

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思い起こせば、自らの意思で音楽をそれこそ「浴びる」様に「貪る」様に聴き始めたのは中学生の頃なのであった。それ以前は、父親・母親ともに音楽好きなこともあり、我が家では「グラムロック*1」だの、「テクノ*2」だの、「プログレ」だの、「フュージョン」だの、「ジャズ」だの、「ロック&ポップス*3」だの、「四畳半フォーク*4」だの、「クラシック」だの、「マカロニウェスタン」だの、「ワールドミュージック」だのと、本当に雑多な音楽が流れていて、当方はそんな音楽達に囲まれて幼少時代を過ごしていたのでした。まぁ、その結果、非常に守備範囲の広範な雑食性の高い人間となってしまい、人々からサブカル呼ばわりされることになってしまった、のではないか、と推測するのであるが、コレはあながち外れてもいない、のだろう*5

まぁ、このような按配で「幸福なのか不幸なのか」皆目判断つかぬ環境で育ってしまったので、当然小学生の頃は皆が夢中の「アイドル歌謡」をバカにして、遠足のバスとか教室なんかでそれらが流れていても右から左だったし、外向きにはあんまり音楽には興味ないことにしていた、のであった*6。そんなこんなで、時が流れ中学生となり、小生も愛用の半ズボンから学ラン長ズボンへと衣替えをせざるを得なくなったのであるが、確かその頃だったと思う、FMが入るラジオを親から貰ったのは。

で、そこからだったと思う、自らの意思で音楽を聴き始めたのは。21時頃にいったん寝て、深夜0時頃になると目を覚ましては布団の中でコソリとイヤホンでラジオ。ウィークデイは毎日ミスDJ聴いて*7、土曜の夜は全米TOP40〜全英TOP20を聴き、部活がない日は夕方のNHK-FMの特集を聴き、FM雑誌を立ち読みしてメボシイ特集を探し、新聞のラジオ欄をテレビよりも真剣にチェックという感じ。

で、これまた幸か不幸か、僕が中学生だった1982〜85年頃というのが、日本の CITY POP が一番盛り上がっていた時期で、YMO関連の人達、大滝詠一山下達郎佐野元春杉真理矢野顕子竹内まりや大貫妙子、エポなどなど、とにかく時代を超えた名盤達がゴロゴロと次々と発表されていた熱い時代だったのである。まぁ、そんな訳で、FMではそれらのアーティストの楽曲は普通に流れていたし、そうした人達がパーソナリティを務める番組なんかもあって、それらの作品が自然と耳に入ってくる状態だった、のである。だから、以下で取り上げた作品は、当時はレコードで持ってないものが大半で、ラジオで流れていた記憶を頼りに最近購入したものも含まれている。

で、この頃の僕的な「事件」は、飯島真理さんの作品とラジオ番組との出会いである。これは敢えて力説させてもらいますが、「マクロス」は当時メロドラマ具合がシンドクてあんまり見ていなかったので*8、契機はむしろ「ラジオ」の方なのである。というのも、83年の1stが坂本龍一プロデュースということで結構注目を浴びていて、ラジオで流れてた曲でその「可憐な声」にやられ、その「素晴らしいメロディ」にやられ、そしてFM雑誌で写真みて「その丸顔でつぶらな瞳」に即座にK.O、そのあまりに可愛らしいお姉さん具合に目がハートになってしまい、そのまま当該の 1stアルバム「ロゼ」を貯金崩して購入。以後愛聴に次ぐ愛聴でした*9

そして、当方が中学3年となった84年には、ミスDJなどAM/FM双方で飯島真理さんがパーソナリティを務める番組が始まり、そこで流れていた音楽*10で、スタイル・カウンシルなどの背伸びU.K洋楽を知り、高校生からの洋楽ドップリ生活へと繋がっていくこととなるのであった*11
 

大貫妙子 「クリシェ

僕の id が cliche なのはココから来ている、というのは嘘ですが、坂本龍一のヨーロピアン路線編曲の最高傑作。ここに収録の「色彩都市」は小沢君も「指さえも」で引用してる超名曲。B面のおフランスでアンニュイ路線はパリの石畳を妄想させるに充分な感じで、強烈に具体的なイメージを喚起する按配。しかし、この頃のタイトルは坂本龍一ニューアカかぶれ具合がヒドイなぁ*12

ASIN:B00005EHLB

飯島真理 「blanche」

吉田美奈子清水靖晃によるプロデュース&編曲が素晴らしい一枚。ほんの「隠し味的な残響感」がクールで独特な音響処理は、当時かなり先進的な試みだったのだと思う。楽曲は落ち着いたというか、一見地味な印象を受けるけど、吉田美奈子に歌唱法についてかなり厳しい指導を受けた成果か、全体的に聴き込む程に味が滲み出る名盤。自ら共演者をセレクトするその様は、80年代の嶺川貴子って感じ。

ASIN:B00005GX7G

エポ 「ビタミンEPO」

エポと言えば編曲の清水信之の役割は重要で、とにかく80年代前半の彼の編曲は本当にマジカル。安部恭弘の作品等で炸裂するポップス・オーケストレーションは本当にドリーミーだ。名曲「う・ふ・ふ・ふ」が全てを象徴するように、エポの作品での仕事が一番相性がよいというかノリノリで、眩いばかりのキラキラ具合と陽だまりのようなウォームな音の感触が素晴らしい。

ASIN:B00005EHL7

杉真理 「STARGAZER

杉真理は日本のポール・マッカートニーだ、と言いたくなるほどの素晴らしいメロディメーカーであり、まさにポップスを歌うために生まれたような軽やかな声質の持ち主。そしてこのアルバムは、60年代英米ポップスという原石を丁寧に磨き上げ宝箱に詰め込んだような、彼の最高傑作であり当時の CITY POP を代表する一枚だと僕は思っている。

ASIN:B00005G3E4

村田和人 「ひとかけらの夏」

山下達郎の弟子扱いだが、僕はむしろ村田和人の方がヘンな気取りがなく「朴訥」としていて大好きだ。音的には米国西海岸な突き抜けた青空のような解放的で暖かいメロディの宝庫。山下達郎の編曲も弟分への愛情溢れる感じで本気度が高く素晴らしい。多分、夏の浜辺でラジカセでボンヤリ聴いたり、夏の海岸線ドライブのBGMには最高な一枚だと思う。「So Long,Mrs.」は CITY POP 屈指の名曲

ASIN:B00005HDJD

松尾清憲 「SIDE EFFECTS-恋の副作用-」

「愛しのロージー」が有名な和製ポップス職人:松尾清憲のソロ1作目。スパークスモット・ザ・フープル等のブリティッシュヒネクレPOPや、ELOみたいな分厚いオーケストレーションPOPが多分大好きなんだろうな、という感じの編曲も素晴らしいが、どこか不思議な哀愁を帯びたそのメロディが松尾節というか、なんだかぐっとくる感じ。

ASIN:B00005HKOY

 

*1:当時父親はマーク・ボランのような格好をしていたらしい

*2:Y.M.Oではなくクラフトワークだった、のだ

*3:ビートルズは特にジョン・レノン関連、ポップスはチャビー・チェッカーなど何故かツイスト系が多かった

*4:特に三上寛あがた森魚、NSP、浅川マキ

*5:70年代の音楽は結局リアルタイムに聴いてるのと同義なので、父親の世代のロック親父とも話し合わせるのも全然平気という、なんか複雑な気分のオプション付き

*6:まぁ、当時は音楽よりも「タンサー5」等の不思議番組の発掘に勤しんでいたので

*7:これがもう、毎日深夜3時ごろまでラジオ聴いて8時半には学校行って、部活してという今よりも睡眠時間少ない暮らしぶり。。。

*8:まぁ、現在はDVDで全巻購入して所持しておりますが・・・

*9:が、家族の前では恥ずかしくて聴けなかったので、コソリとヘッドホンで・・・

*10:かなりのU.K音楽マニアらしく、プリファブやアズカメなんかも普通にかかっていたし、英国録音の4枚目では、ぬなんとマックス・ミドルトンをアレンジャーに迎えている

*11:ということで、次回は高校生編の予定

*12:シニファンなんてタイトルつけるなんて、もう直球すぎて赤面ですわ奥さん