日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

無用の長物、華麗なる無駄遣い「巨大戦艦」を崇め祭れ


昨日、id:screammachine師に教えてもらったのだが、目下上映中のゴジラには「艦首にドリルがついた戦艦」というのが出て来くるそうで、その話を聞いたとき、二日酔いの僕の中ではかなりな化学反応が起り、ゲラゲラ笑いそうになったのだ。だって、ドリルのついた戦艦って、ものすごく用途不明瞭で、意味不明じゃないですか。そもそも地中で主砲やミサイルぶっ放しても、自分の周囲で爆発するだけだし。あ、そうかレインボーマン土の化身のように、ピンチになったら土の中に逃げ込むため、に装備してるんだ、きっと、だとかなんだとか・・・

いやぁ明らかにソレ(未見ですが)、画面上での見栄え重視のナイスセンス(或いはナンセンス)な人しか、そんなもの思いつかないですわよ。すなわち理屈や説明なんてな、中途半端なリアリズムからはそんなステキな発想は出てこないのだ*1

しかし、戦艦ってば、そもそも無駄の象徴すよね。戦艦大和と武蔵の悲劇「大艦巨砲主義の没落」と「戦闘機と空母」の時代ってば、第二次世界大戦の話がその起源だけど、そのお陰でガンダムとかでも真っ先にやられてるのが戦艦で、しかも主人公や悪役キャラのモビルスーツの適当に放たれたビームを艦橋(操縦所)に一撃食らってあえなく轟沈。モビルスーツにはお一人様御搭乗、戦艦にはぬなんと数十人〜数百人が御搭乗していることを考えると、なんともせつない気持ちになってくるのである。だって、それぞれの戦艦には、コックとか医者とかも必要な筈で、おまけに慰問歌手やマスコットのペット君達やお抱えの室内楽団やマジシャンなんかも乗っていて、快適な宇宙戦艦ライフを送っていた筈なのである。それが画面写りにして0コンマ何秒で藻屑である、合掌・・・

果たして日本国民の家族の風景である鍋やヤカンの一斉供出から生み出された、まさしく日本的生活の集合物「鉄の無駄遣い:それは戦艦*2」ですが、かつて一度だけ物凄いキラメキトゥモローな時代があったのです。それは、Vガンダムに出てくる、モトラッド艦と呼ばれる戦艦達なのです。

このモトラッド艦には、ぬなんと巨大なタイヤが艦首と艦尾についていて、地上をバイクのように走行できるのです。そして、何故にそんなものがつけられたのかというと、核を使わないで地球をクリーンにするために、巨大なバイク戦艦ですべてを踏み潰すのだという、「地球を皆ぺっちゃんこ、それいけローラー大作戦」なのだそうで、なんとんまぁ手間の罹る作戦でスことヨ。もう、コレ、明らかに画面上の見た目のインパクト一発勝負でしか考えてないような按配で、素晴らしすぎます*3

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/4190/vg/034.htm

以上、無駄の象徴である戦艦についての、三日酔いの当方による、虚空を切り裂く無駄な突っ込みでした。
 

*1:話はそこからエド・ウッドへの愛あるオマージュ話にちょっとなったのだが

*2:この場合は戦艦大和と武蔵です

*3:確かにこの回の作画と演出は素晴らしいです