今日の B.G.M 〜夏の始め或る休日〜

目が覚めたら外は突然に夏だった。僕は朝一杯目の珈琲を淹れ、そして何かB.G.Mが欲しくなる。なんとなくアメリカのサバーブの乾いた風景が浮かび、Ben Foldsのピアノが奏でる Robert Smith の POPソングをまず1曲目に。そして、昼過ぎに昼食を食べに入った店では、夏独特の朦朧とした空気感にそっと寄り添うように Kenny Rankin が流れていた（そして二杯目の珈琲）。

アスファルトが灼熱の太陽に従属する13時過ぎ、自転車を転がす僕の頭の中では、空殻に乾いたカントリー音楽が陽気に鳴っていた。そして15時過ぎ、太陽が混ぜっ返す都市の排気から逃れるように転がり込んだ木陰の喫茶店で、三杯目の濃い珈琲を啜りながら、Summer Of Love の光と翳が交互に入れ替わり昇華する Love Generation の1曲を思いだしていた。

空の光度と闇の濃度が次第に入れ替わる18時過ぎ、次々に街灯や家々の窓に灯りが燈るのを眺めつつ、映画で見たアメリカのサバーブに Alison Krauss の Stay を重ねながら、四杯目の珈琲を啜る。そして、戻った自室でこの文章を書きながら、ふいに遠くから聞えた雷の音に、自分の居る場所が何処であったのかを、ふっと思いだす。