日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

America's Greatest Hero / Joey Scarbury


今回取り上げた一枚は、80年代前半の米国テレビドラマ 「アメリカン・ヒーロー」 の主題化を歌ったカントリー歌手(というか M.O.R だな)の代表作で、最近ようやくCD化された一枚。一曲目の 「Believe It Or Not」 は当該ドラマの主題歌で、80年代前半のキラキラした雰囲気が昇華結晶した、とにかくハッピーでセツナくて、メロディアスでドリーミーなまさに名曲。この曲を流しながら 「めぞん一刻」 の前半を読み耽ると、間違いなくラビリンスに逝けます、現実に還る手掛かりを失います。

他の曲は、1曲目と比べてしまうと 「まぁまぁソコソコ」 って感じてしまうのは致し方なし、なんですが、でも 「ブルックス&ダン」 とかの現代カントリー音楽が好きなら、かなりツボにきます。というか、私はツボにきました。


しかし、10代の頃は、英国音楽のヒンヤリした雰囲気が好きで、米国音楽のカラカラに干乾びた感じを蔑んでいたのに、何故だか今では趣味が逆転してしまった自分に、正直ビビリ鱒。このままでは容姿までもが、つるつるしたアタマに + クチヒゲ on the 上唇、ポッコリお腹+サスペンダーな具合で「米国サバービア親爺化」してしまいそうで、恐ろしいです。烏賊ン、ボーダー着用率を高め、ガリガリ+猫背で爪先を見つめて、常に顔面蒼白で白昼夢を彷徨うような容姿に戻さなくては烏賊ンのだと、コーラでピザを流し込みながら真剣に考えてしまった余。

しかし、この逆転現象の原因=恐らくは、20代の頃に米国文学、それも主にサバービアが舞台の短篇小説ばかりを、貪るように読み漁っていた影響なのかもしれません。或いは、映画はあまり摂取することがなかったのに、何故だかスティーヴ・ブシェーミが出てくるような、これまたサバービアが舞台の、退屈に塗れて日常的な狂気が潜みこんでいるような映画ばかり見ていた影響かもしれません。或いは多感な10代の頃に 「俺がハマーだ!」 とか 「アメリカン・ヒーロー」 とかの米国テレビドラマや、 「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」 や 「地上最強のエキスパートチームG.I.ジョー」 とかの米国アニメばかり見ていた影響かもしれません。


ところで上記、何が言いたかったのかというと 「嗚呼、知らないうちに、すっかりアメリカナイズされている自分に、正直戸惑いを隠せないのです」 なんてなアンチ帝国主義風な戯言をちょっと書いてみたくなった、だけなのでした。とかなんとか蛇足のような戯言を書き連ねつつ、これから今日購入した下記のDVDを、ソファーに沈み、ジャンクフード抱えて見る僕、なのでした。


アメリカン・ヒーロー DVD パイロット版

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