日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

読書:ご近所物語〜パラダイス・キス


先週から始まったアニメ版「パラダイス・キス」をたまたま見て、ちょっと面白そうと思ったので、その原作である 「ご近所物語 (1) (りぼんマスコットコミックス)」 〜 「Paradise kiss (5) (Feelコミックス)」まで、またもや駄目な大人の固め読み。しかも、同時並行して 「下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)」を読むという、アクロバットな荒業特典。

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)」では、団塊ジュニア層の中でも「個性的であろうとする」とか「自分探し」しがちなセグメントは、コミュニケーション能力が低く、低収入で下流に留まる、ということが書かれているのだけど、 「ご近所物語」はまさに「個性的な僕と私の自分探し」の成長/青春群像物語。しかも、雰囲気としては「バブル時代な希望に満ち溢れた感じ」で、皆さん贅沢なことこの上ないし、結局みんな「大成」して「一流のクリエイター」になっちゃう、みたいな感じ。
他方で、「ご近所物語」の主人公の子供達を描いた続編「パラダイス・キス」の方は、バブル崩壊後の世相を反映してか、「その感性が完璧すぎて市場に受け入れられない天才」とか「若い頃は成功したけど、歳をとり今では不満だらけな元モデル」とか、あとはラストで現実に妥協してゆく主人公の姿とか、物語中にはかなりセツナイ係数が上昇している。ということで、世相を意識しながら漫画を読んでみると、なかなか面白いなぁ、なんて俗なことに感心したり。

ところで、三浦 展氏の著作は、「「家族」と「幸福」の戦後史 (講談社現代新書)」の頃に比べると、なにか断定的なコジツケ観が強くなってきているような印象を受けるので、話1/3で読んでいたので、あまり頷ける部分は少なかったのだけど、ただ一つ共感したことは、「バブル崩壊後の構造不況」により、企業も家計も「その日を生き抜く合理性」にすがるあまり、長期的な視野に欠け、次の10年、或いはその先の時代にどのような悲劇が起きようともわれ関せずな具合である、という点。しかも、「赤字国債による累積債務」は下記のように「とんでもない」ことになっている。

リアルタイム財政赤字カウンター ver.5.6.3

あんまり題目と関係のない話になってしまったけど、まとめると「パラダイス・キス」の続編(主人公たちの子供が主人公?)があるとしたら、今度は物凄い救いのない話になりはしないか、と不安になった次第でありますこと余。