Experimental Audio Research / Worn to a Shadow
仕事が漸く小休止したので、今晩は久々にゆっくりと自宅で音楽漬けなので酢(明日からまた忙しいけど)。と言う訳で、購入後ゆっくり聴く間がなく放置されていた「ソニック師匠の新譜」を聴く事にしました。
しかしソニック師匠、バンド形態で歌有りプロジェクトの「Spectrum」に比べて、この歌無し実験独りプロジェクトの「E.A.R」の場合、延々と続くドローンがドップラー効果だったり、鈴虫の鳴き声のような高周波サウンドが無間地獄だったりと、常人の理解を超えた「禅問答サウンド」が毎度ながら70分近く繰り広げられ、リスナーの過半数がヨダレで枕を濡らすことに相成るのです。
ということで、今回の新作もやはりドローンあり、高周波ありのお約束ワールドかと思いきや、ヌなんと当方が敬愛するフランス現代音楽(ミュージック・コンクレート)の巨匠、Francois Bayle を彷彿とさせる、水晶玉のように透き通った不思議サウンドが展開されているのです。ちなみに、Francois Bayle といえば「ビー玉がぶつかる音」や「独楽が回る音」等の具象音を加工して独自の、しかもダークにならずにエレガントな音響世界を築き上げる人なのですが、今回のソニック師匠は、完全にそちらの領域に歩みを進めている模様です。
蛇足ですが、このところ師匠がジャケットアートに愛用しているオプアートのネタ元はこちらです。この本のオプアートを見つめながらソニック師匠の音響世界に浸っていると漏れなく「天地左右が行方不明」な状態になりますです余。
Japanese Optical and Geometrical Art (Dover Pictorial Archive)
- 作者: Hajime Ouchi
- 出版社/メーカー: Dover Publications
- 発売日: 1977/06/01
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る