日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

THE CLARK SISTERS / SING SING SING! ASIN:B000BDJ4C6


HI-FIレコード企画・監修の 「フィンガー・スナッピン・ミュージック」 シリーズ第二弾より購入した一枚、なのですが、コレ素晴らしいですホントに(嘆息)。基本はスイングジャズに4人姉妹のスキャットがかぶさる 「音暖房」 サウンドなンだけど(1958年製)、とにかく指が鳴るなり法隆寺で、楽しくてホクホクな4ビートが満載なのです(捨て曲無し)。

収録曲は30年代後半のスタンダードナンバーが中心なので、マニアック嗜好の人は 「ナーンだ」 とか一瞥で酢ルーしちゃうかもしれないけど、そんな表面的なデータで酢ルーしちゃうのは非常に勿体無いです。で、何が素晴らしいって、それは例えば、ここぞってタイミングで切り込んでくるジャイブなギターとか、歌メロに寄り添うようにホンワカ転がるヴァイブとか、スカッと抜けたベースとドラムのイナセなグルーブとか、そしてナニヨリも主旋律に華麗流麗に絡み合うスキャットとコーラス等など、とにかくアレンジと演奏が良いのです余、ホントに。


嗚呼、なんだろなこの感じは、 「スピーカーから音符が弾んで流れてくる」 のが見えるというか、 「世界に対する揺るぎない信頼感」 に包まれた安心感が音に現れているというか、 「パパはなんでも知っていて、ママは美人で陽気で料理が巧くて、子供達は明るく健康的で」 みたいな50年代アメリカの家族団欒のB.G.Mというか・・・そしてこの幸せな音楽に浸りながらも 「こういう音楽が再び世界に溢れだすことは二度と無いだろな」 なんてことを考えてしまうボクは、あらゆる部門で合理主義が蔓延る 「セッカチで不寛容な時代:21世紀」 の現実を前に、ヤレヤレと静かに嘆息するのでしたと瑳。