日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

回顧で送る 2005年: 今年愛読した漫画ノ巻


敷居の住人 (6) (Beam comix)

敷居の住人 (6) (Beam comix)

この漫画では、自らの欲望や気分を的確に把握できず+自分を持て余し気味の中高生の男女と、どこか煮え切らない駄目な大人ばかりが登場します。その中でも特に、キクチナナコというヒロイン(?)にあたる人物は、「自分持て余し度」が高い+「自分が本当に欲しいもの把握精度」がかなり低いため、表面的な言動が傍目には支離滅裂で、メチャクチャな人格のように見えるのですが、僕はわりとこういう人好きです。というか、20代の頃は特に「こういう種類の人」にグルングルン振り回された経験が何度もあるので、なんか遠い目をしてしまいました・・・


ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)

ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)

この漫画、テーマとプロットは結構よかったり、「死にたいのは不安だからだけど、不安なのは願うからだろ」とか、かなりいい台詞が随所に現れるのだけど、絵や構図の表現力が、それらに追いついてないのが無念な作品なのだった。しかし、作者が今の表現力で書き直したらきっと、もっと伝わりやすくなる、のだろうけど、でもこの「うまく表現できないけど表出せざるを得ないギリギリの切実さ」は間違いなく失われてしまう、のだろうななんてこと想像してしまうボクは、もうやっぱりオッサンなんだよな・・・


ハチミツとクローバー (8) (クイーンズコミックス―ヤングユー)

ハチミツとクローバー (8) (クイーンズコミックス―ヤングユー)

今年巷ではブームだったこの漫画、「めぞん一刻」と同じ匂いがして、さっそく冒頭で K.O されました。完全にネオアコで青春キラキラ&ソフトロッキンにサンシャインです。「青春キング万歳」「竹本君万歳」「青春万歳」っと、この作品に出てくる老教授達のように叫びこそしませんが、それに近い気持ちを感じつつつ、挙句のハテには、この漫画のサブリミナル効果で「ロールケーキ1本 丸ごとモグモグ」という暴挙を遂行してしまったり・・・