日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

Lesson No 1


昨日のフィードバック・ギター会話の流れで、久々にCD棚から引っ張り出したのですが、コレやはり痺れます、カテゴリ=現代音楽ですが、1980年にして「モグワイも裸足で逃げ出す」ぐらい、既に「ポストロック」しています(笑)。

ところでグレン・ブランカ*1は、ソニック・ユース結成の触媒というか、サーストンとリーの師匠みたいな人なのですが、これが本当にかなりマッドなお方なのです*2。はてさて、エドガー・ヴァレーズの影響で「音響のもつ強度の世界」に強く執り憑かれたブランカ先生なのですが、これがもう「マレットギター」という独自の楽器を開発したり、楽器の音響を加速度的に共振させるため、10人近いギタリストによるギターオーケストラを編成+各々が開放弦のみで掻き鳴らすなど、まさに轟音ギター界のマッド・サイエンティストの称号に相応しいお方なのです。


実際、ギターノイズ愛好家ならお分かりかと思うのですが、ギターで強度を追求する場合、変則チューニングで開放弦を掻き鳴らす>弦同士が共振/共鳴し合い、かなり強烈な音が出るのです。で、ブランカ先生の場合は、さらに共振を高めるため、「倍音列に基づく純正調の調律」をギターオーケストラの各々に施すことで、まさしく「音響の渦」を作り出すことに成功しているのです。
嗚呼、複製芸術:CDではなく LIVE で体感したいものだなぁ、と願いつつ果たせずにおりますが、実際にその圧倒的な「音響の渦」を体感するのは、かなり至福な時空間なんだろうなぁ、と思わず空想していてヨダレが垂れてきます(実話)。


最後にコレは蛇足ですが、サーストンもリーも変則チューニングを多用する人たちなので、完全にブランカ先生の影響を色濃く受けているものと推察したりもしますが、でもいいんです>カッコイイから(特にリーさん)。