日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

指さえも / 小沢健二 


突然に新譜「Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学」が発表される小沢君ですが、そういえば、ということで「刹那」に収録されなかった、「Buddy」や「ある光」や「春にして君を想う」、それに「指さえも/ダイスを転がせ」のことが、なんだか気にかかってくる訳です>結構良い曲あるのになぁと。

で、今回取り上げた「指さえも」ですが、これオリーブに連載されてた「ドゥワッチャ」の連載第69回にて、小沢君自らが歌詞の解説してますが、この頃の小沢君は、なんか米国右翼音楽=カントリーを愛聴していたようで、特にその「歌詞のスタイル」に注目していたようです*1。そこで、カントリーの歌詞のスタイルの一つ「サビで聴き手が盛り上がってウッカリしているところに、忘れかけていたタイトルの意味を叩きこむ」を適用して書いたのが「指さえも」だった、という訳なのです。

確かにサビのメロは「あぁ、大貫妙子のアノ曲では?」という按配だったりとか、楽曲には毎度ながらのオマージュに溢れていたりします。でも、歌詞はなンだか「ショートストーリー風」で、ちょっと凝り過ぎ&ハズカシく面白いです。特にサビ前のフレーズが前半は「君を愛するこの思い/2000年には消えてくれ」で、後半は「君を愛するこの思い/3000年は変わらない!」であるコトの対比とか・・・


と、適当に引用ベースに「摸倣子」的な按配にて、ツラツラ駄文を書いてきましたが、そろそろ会社に行く準備をしないと、なので強引に結論しておくと、今回のアルバムが小沢君の「言葉レスなのがとても残念」ということなのでした。もしかして例の連載小説「うさぎ」のBGMとして作られたのかも、しれませんが、なんかコレを機に小沢君歌わなくなるのではないか、という懸念があったり、なかったりで・・・

まぁ、小沢君は完全に「言葉の人」だから、そこからは如何したって離れられない、のだとは思うのだけども。
 

*1:カントリーは演歌同様のココロ餅にて「似たような曲調にならざるを得ない」ので、演者的には歌詞がコダワリの肝になる訳なのです