日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

ヘビィ・メタル・サンダー


突然ですが、今話題沸騰中の「デトロイト・メタル・シティ」を読みました、えぇもう本当に「今更ながら」ナンですがね。で、突然思い出しちゃいました、およそ10年前の「ヘビィ・メタル・サンダー」を、小山田君フライングVの雄姿を、悪魔を模したコスチュームを。あ、ちなみにコレ、プレステの「ヘビーメタルサンダー」のことじゃないです余、ステッペンウルフの歌詞でもないです余、コーネリアスの「ヘビィ・メタル・サンダー」の方ですからね、お間違いのないように。

そもそも、渋谷系のプリンスとして「王子〜」という愛称で女子に呼ばれていた小山田君が、ロキノン小沢君2万字インタビューで「あいつ、めちゃめちゃヘヴィメタ好きだったじゃん」とか「文化祭にヘヴィメタ野郎が居て誰かと思えば小山田だよ(笑)。マイケル・シェンカーとかナイト・レンジャーとかやってたよ」とかそれまでの御洒落レコードサクサク男イメージを爆破テロな按配で屑されて、開き直った小山田君が自虐と皮肉半分で作ったのでは、と思わせる曲、そうそれが「ヘビィ・メタル・サンダー」なのです。発表されたのは1995年、えーっと指折り計算するにどうやらおよそ10年前の出来事ですね。


でもねぇ、この曲がスゴクイイ曲なんですよ根、これが。当時はまだ目新しかったハードディスク・レコーディングという最新のテクノロジー(今じゃ当たり前ですが)を駆使して、ロウファイサウンドを作り上げ、挙句の果てには当時誰もがココロの奥底にヘヴィメタを封印し、異性不純交際の外交道具として御洒落レコの消費に勤しんでいたあの頃95年、突然唐突にヘヴィメタを、大々的にしかもかなり「本気」で演ってるのです余>小山田君。マジで中間のギターソロは、アイアンメイデンのプローラー+シェンカー:哀愁のフライングVって感じで、かなり「燃えます」まさに伊藤政則の深夜ラジオです。

今では、ヘヴィメタを好きだったと告白することは、さして封印系の隠微な香りはなくなり、かなりポップにライトな按配で、さながら宗教メタルバンド:ストライパーのように爽やかな風のリブリーズでノーリプライって感じですが根。去年、テレ東でやってた「ヘビメタさん」だって、みんなニタニタ/ニヤニヤしながらブラウン管の前でチュイ〜ンチュィ〜ンとココロのギターソロを家族や恋人の前で、臆することなく奏でまくってたのではないのかな。

いやぁ、それを思うと小山田君って凄いよね、「デトロイト・メタル・シティ」を360度回転させて、さらに360度逆回転してって按配なその「本気」っぷりが、もう尊敬の眼差しなのです余、なんてことをふと思ってしまった夏の夜なのでした。


69/96

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