12"/80s 〜 the decade of the 12" and the 12" of the decade
80年代コンピがブームだった昨今、ちょっと前には「R35」なんてな極悪コンピなんかも出現して、もはや苦虫の苦味もカラッカラに空っぽになったこの頃ですが、ブームに先駆けて昨年春に「12"/80's」なんてステキなコンピ(国内盤未発)が既発だったのを、学芸大学の某中古屋で知り、迷わず捕獲してきました。
だって「12" mix」とか「Extended mix」なんてな単語がイナゴの大群のように埋め尽くす裏面の「曲目リスト」を見たら、36歳だけど微塵もワルを醸し出していないホーリーリスナーである当方の「股間はびしょ濡れ」になってしまうに決まっています。だって、ココロの底は性悪無限大で、いつでもニコニコ笑顔の底に、ゴスとポジパンとノイズに塗れた退廃で白塗りの低音が奇声をまくしたてる、そんなボクには、1枚目の1曲目からロバート・スミス>二曲目でロディ・フレイム>三曲目でマーク・アーモンドと、マルセイユルーレットのように目くるめくよで過剰無常な自意識の発露は、まるで老朽化したジェットコースターの不規則な鼓動のように予期せぬ恐怖をサプライズしてくれます。
ということで、このコンピは冒頭の三曲が顕著に示すように80年代の12インチシングル、その中でも特にニューウェーブ系英国音楽に的を絞りセレクトした三枚で構成されるのですが、三枚を聴き終えて脳内に自然発生したのは「80年代英国音楽って、大航海時代と産業革命が同時並行でザッピング、みたいな?」的な感じだったのです。つまり、この辺りの12インチでは特に「ワールドミュージックとかエスノビートの発見と導入が顕著だった」から、大航海時代なのではないかと。で、産業革命と評したのは「コーラスやディレイ等の空間系エフェクター塗れのギターとベース、サンプラーとポリシンセがオーケストラをスタジオから駆逐し、レコーディング環境のデジタル化が編集作業を合理化し、ってな感じが顕著だった」から、ではないかと。で、その結果生まれたのが、ヒクヒクと痙攣するリズムに合わせ、アンチテーゼに塗れた過剰な自意識を巻き舌で吐露するボーカル、そして未来派野郎なテクノロジー賛歌とメディア戦略。この後、90年代になると80年代ロック近代化的スノビズムなエゴの洪水に疲れたダウナーさんと、テクノロジーの進化でさらに時空間を超え先鋭化したスノッブさんによる、ロック・ポストモダン時代が勃興することになるのですが、脳みそ>指先へ出鱈目を垂れ流しているうちにオチを見失ってしまったのでここらでプツッと不完全休止
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Universal UK
- 発売日: 2005/03/08
- メディア: CD
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