日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

Cornelius / Sensuous


突然ですが、ボクは iPod で音楽と接するのを止めました。だって、現代音楽とかノイズのCDをリッピングしても圧縮時に「サイン波:高周波」や「針金をビヨ〜ン+びよーんした倍音成分」等が「不要な情報」としてカットされ、出来上がった出音が「完全無欠の無音」なんだもん。しかも、あんな狭い周波数帯+情報量を大幅削減した音を、空気振動>波動も体感できないヘッドフォンで聴くなんて狂気の沙汰だよ、本当に。あぁもう、音に対する感覚が愚鈍であるか、鋭敏であるかなんて、まぁそもそも「どうでもいいような楽曲」を中心とした音楽摂取を平然と行っているよな世の中だから、別にこんな問題意識なんてウンコみたく切り捨てられるに相違ないのだが、にしても(以下略)。

ということで、Cornelius の新作「Sensuous」なのです。このアルバムは、上記のような iPod リスニングとは真逆の指向性で、24bit/96khzのHi-Fi環境で録音されており、CDでは規格上致し方なく16bit/44.1khzにダウンサンプリングされているが、それでも元の録音時の情報量が格段に違うため、ひとつひとつの音の「鳴り」が圧倒的で、音が波動であり空気が振動していることを「耳で聴く」のではなく、全身で体感するようなイメージに近い、のである。しかも、楽譜ベースの従来の作曲法とは根本的に異なり、はじめからDAWの波形表示ウインドウベースで作曲が進められているため、複数の音が同時に鳴らない=アタックが重ならないことを前提としたり、パンニングも従来の2chL⇔R)の狭い範囲の中での微細な配置調整ではなく、5.1chによる「より広範な選択肢」の中でのダイナミックなパンニングが前提となっているなど、シュトックハウゼンやその他現代音楽家が格闘した脱五線譜な音楽を、DAWにより軽く飛び越したまさに「次世代の音楽」なのである。

あー Apple Store で開催される24bit/96khz版の披露演が待ち遠しいのだ、という冒頭の発言との矛盾めいた一言を残して、ひとまず退散。


Sensuous

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