日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第2回 Angels of Light の巻


We Are Him

We Are Him


第1回で取り上げた Akron/Family 繋がりで購入。というか、Akron/Family とこのアルバムは、とある音楽酒場でマスターというかお兄さんに「2007年の新譜でよかった音盤はなんですか?」って質問して、「うーんこの辺が最近は好きかなァ」って聴かせてもらって「おー」ってなって購入したのでした。

ところでこの「音楽酒場」ですが、NYパンクやGalaxie500がキーワードになるような按配で、とにかくマスターの音楽趣味が最高なのです。で、面白いのがガチガチのNYパンク一辺倒な按配ではなく、それこそカンタベリー系やらジャーマンサイケやら幅広く吸収した肥沃な大地とでも言うべきマスターの音楽趣味があって、そこにいろんなお客さんが持ち込む「現在/過去/未来の多様な音源」が加わって発酵したお店のライブラリが非常にイキイキと楽しい按配なのです。まさに、自家中毒/箱庭的なiPodリスニングとは真逆の開かれたダイナミズムがワサワサと蠢く感じというか(あー、こういうのって本当に楽しいよねぇ)


で、このアルバムの音の方は、なんというかドアーズを意識する瞬間があったり、サイケコミューンのドロドロした宗教ソングを意識する瞬間があったりもする按配で、全体的な印象としてはカテゴリー「アシッドフォークもといフリーフォーク」に括られそうなのですが、局所的な印象としてはギターの音が、とにかく全体を通して「非常に新鮮でカッコイイ」なのでした。

特に1曲目の冒頭のアルペジオなんかは、なんというかスローコアのようなリリカルなアルペジオ具合とも違うし、トータス辺りの浮遊感のあるクリーントーンとも似てるけどナンか違うし、なんというか、感情成分ゼロのカラカラなリリカルとでも言うべき不思議な透明感と土臭さのある音に、当方完全にノックアウトなのであります。


いやー、音楽って「まだまだ奥深く、そんで楽しいですねぇ〜」っということで目標達成まで残り98枚