日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第7回 Collections of Colonies of Bees の巻


Birds

Birds


これは、結果としての音としては、既知の世界というか「あーグレン・ブランカだぁ」という印象を受けるのですが、方法論としては DAW ベースで構築されているため、非常に発展の可能性というか、以降の展開が楽しみなアーティストという印象でした。なにしろ、ブランカの時代には、フィードバック及び共振ギターなギターオーケストレーションをまさしく人海戦術で行っていたのに対して、こちらは DAW 上の編集世界で行うという点で雲泥の差があるのです。もちろん、人海戦術によるリアルな干渉/共振作用の産物であるブランカの作品に対して、こちらはシミュレーション的に干渉/共振作用を生成しているという点でダイナミズムに欠けるとスペック的に語ることは可能でしょう。しかし、80年代的なノイズのサイン波の取り扱い(垂れ流し)を、数学的というか精密な配列秩序的なサイン波の構築により「新たな音楽」として90年代に生み出した池田亮司の例を挙げるまでも無く、このような DAW 的なアプローチが新たな音楽を生み出す可能性は非常に期待できるのではないかと思うわけです。90年代は先鋭的なアート界隈で生成されてきたこれらのアプローチが、ギター等の演奏者の世界に取り込まれ、そして過去の音響的なアプローチを発展的に吸収してゆこうとしている、その心意気に惚れました。ということで、コレいいです(詳細はワルシャワのサイト)


ということで、目標達成まで残り93枚