日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第20回 Matt Baldwin の巻

Paths of Ignition

Paths of Ignition

フィンガーピッキング系の米国オールドタイミーなアコースティック・ギターに、ファズ・ギターの即興フィードバックがオーヴァーダブされただけの不思議な構成/構造のアルバム(ボーカルは1曲のみ)。この異種格闘戦のような楽曲構造(アイデア)が成立できたのも、「分離分解能が高いデジタル録音だからこそ」というべきか、「ローファイなアナログ録音」では不可能な音(アイデア)だったのではないでしょか。そういう意味でも、90年代のローファイサウンドとは明らかに違う次元の「00年代米国郊外型:DIY白昼夢サウンド」というか、新世代の萌芽感をヒシヒシと感じる音なのでありました。いやかなり好きな音ですこれ。