日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

今年初めてみた映画「JUNO/ジュノ」

オリジナル・サウンドトラック JUNO/ジュノ

オリジナル・サウンドトラック JUNO/ジュノ

紆余曲折の末に、ようやくオムツが取れたので映画を見ることにした僕なのです(固いシートもシットダウン・オーケ&ボクもこれなら安心さ)。で、なぜこの映画かといえば、相方がやたらと「薦めるから」なのであります。や、というか今年に入って「まだ1本も映画を観ていない」ことに気が付くボクがいたのであります*1


で、この映画、基本的に男と言えば「モッサリしたダメ男」しか登場しない、まさしくボク好みのアメリカ映画、なのであります。というか、90年代前半を音楽漬けで過ごしてしまった「三十路後半と目されるダメ男(ツマ有:子なし)」が話の鍵を握っているのですが、コイツが自虐的な笑いを冷や汗とともに吹き出させるのであります。で、この男おそらくフラフラと「グランジスターになれそで、なれない放蕩の日々」の狭間でキャリア女子に拾われて、結婚してもらって、音楽関係の仕事を「おそらくツテで紹介」してもらって、豪華な家と贅沢ライフを提供してもらって、肩身狭く居候的暮らし(おそらく妻の方が年収高い)を謳歌している様子なのです。が、やれ音楽(グランジ)はダメ、映画(スプラッター大好き)はダメ、ロックなTシャツもダメ、大事なそれらコレクションは地下倉庫に追いやられ、ギターや機材は仕事(CM音楽製作)の名目でかろうじて与えられた小部屋でヒッソリ、家の中の配色や家具その他に関して自由はゼロな「マスオ暮らし」を謳歌している訳なのです。


翻って我が家を省みると、吾が愛すべき「ガンダムMK-II 三号機」コレクションは、吾が自宅に所在を見いだせず、暗く冷たい会社のデスクの引き出しに閉じ込められ、相方と「楽しく狂った映像」でゲラゲラ笑おうと「レインボーマン:キャッツアイ作戦編」のDVDを再生してみると、気が付くとボク一人で膝を抱えて見入っていたり、膨大なエフェクターや巨大なベースは引っ越して二年弱で一度も「ケースという檻」から解放されずに、さながら「終身刑」の様相を呈している始末であったり、等々「映画の中のこの男」を笑いながら「冷や汗」を浮かべるボクがいたのでありました*2


ここで映画に話を戻すと、映画もクライマックスになりつつあり、隣の席では相方がすすり泣きをしています。他方でボクはといえば、ダボダボのランニングパンツの中でフラフラしているアレ(この映画の発端というか導火線)の頼りない感じがフラッシュバックしてきて、もう男って「本当にダメで馬鹿」なのよねぇと、自虐的な気分満載で暗がりの中「薄ら笑い」を浮かべているのがやっと、なのでありました。

*1:ちなみに最後に観た映画はどうも「イカとクジラ」らしい

*2:相方よりクレームあり:これら表記はすべて当方の自粛により行われているものであり、相方による指示/強制等は一切ないことを此処に誓う次第なのであります