Alvarezabala Duo / Halo de Luz
男性クラリネット奏者と女性シンガー兼ギター奏者のデュオ from アルゼンチン、という時点で非常に不思議な「属性」なのですが、さらに「フォルクローレ+現代音楽」という、最近の「アルゼンチン音響派」的なアプローチがなされていて、非常に独特なサウンドに仕上がっています。いい例えが浮かばないのですが、なんというか南米文学特有のマジックリアリズム的というか、ボクの好きなラプラタ幻想派の作家で言えば「エンリケ・アンデルソン=インベル」の「魔法の書 (文学の冒険シリーズ)」あたりのBGMにぴったりというか、そんな不思議なテクスチャーの作品なのであります。微かに漂うフォルクローレのエッセンスが、ベースとして漂う非現実的な気配の中で、「現実との境/接点」を逆に強く意識させる分、ふと気が付くと現実と地続きのアベコベな幻想世界に迷い込んでいるといえばよいのか、とにかく不思議な一枚。