日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

Harry Bertoia の Sonambient

少し前に、モダ〜ンミュージックに行った時に、CD棚から発せられる「不思議なヒキ」に呼ばれて目がとまり、手にした一枚が「Harry Bertoia / Unfolding」というアルバムだったのでした。で、家に帰ってネットで調べたら、まずこのお方、「Diamond Chair」という「ミッドセンチュリー的名作椅子」の作者であり、金属彫刻家だったのです。で、さらに調べると「Sonambient」と自ら名付けた「音響彫刻」なるものを独自発明し、数々の音響作品を発表している模様。で、それ以上に驚いたのが、現スターズの石原さんがG-Modern 22号のインタビューで「自分の中で鳴っていた宇宙の音がそのまま聴こえてきた」と彼の音響作品にリスペクト/驚愕していたこと。そのインタビュー記事は、過去「何度も読み込んでいた」ので「きっと無意識に刷り込まれ」ていたが故に、「不思議なヒキ」として現れたのかも。

で、上の動画を見てもらえばお判りのように、非常に気持ち良い音響が全編響きまくっていて、猛烈に痺れます。あー音ってすごいなぁ、気持ちいいなぁ、と無条件に降参です。楽器弾くとか、歌うとか、もう「何をやっても新しくない」ような気分というか、「音楽」なんてなクソ当たり前の所与のフォーマット/体系にトラワレズニ、純粋に音響/音を探究するその感性に惚れ痺れます。あーもう、INA/GRM系のミュージック・コンクレートとか、ルシエの針金ビヨ〜ン交錯音響とか、そんな音響の錬金術師たちに乾杯なのです。