新譜100枚聴き倒れ〜第59回 Marcelo Lupis の巻
続いては、アルゼンチンはブエノス・アイレス産の「ごった煮ポップ」な一枚なのであります。が、こちらはバンドではなくSSWなので、同じゴッタ煮といっても「ベッドルームで寝転びながら世界中を旅する」的な「密度の濃い妄想」の所産というか、悪く言えば箱庭的で、良く言えばワクワクするよな「オモチャ箱」的な一枚なのであります。同郷のリサンドロ・アリスティムーニョが「もわ〜っ」とした浮遊感なら、この人の場合は「芯の強い眼鏡」感というか、オープンな頑固さというか、なんというか「何をやってもブレることがない」強い芯を感じるのです。だから、結構様々な要素を散りばめて、拡散しているようでいて、バラバラな印象や散漫な印象をまったく受けることなく、1曲1曲を安心して聴いていられる感じが、いいなぁとシンプルに思うわけなのです。
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