日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第79回 Flying Lotus の巻

Los Angeles (WARPCD165)

Los Angeles (WARPCD165)

あ、サンプリングで思い出したけど、今年イロイロと新譜を漁る過程で、外資大型CD屋の各フロアを定期的に巡回して、ジャンル縦断で試聴しまくってたのだけど、久々に接したヒップホップ界隈の新譜がどうにもピンとこなくて「昔のローテクでサンプリングに自由があった時代」の方が圧倒的によかったなぁとか、オッサン臭いことを感じたり(昔大好きだった Q-Tip や Common も今ひとつピンとこなかった)。といっても、試聴機のヘッドフォンなんて劣悪環境で聴いたからなのかも、なのだけど、全般的に進化したテクノロジーを持て余している感というか、個々のネタの磨き込みが弱くなった分、構成イジリに向かうからなのか、どうにも散漫な印象を受けました。といって、「ピアノループで美しいだろ俺の音」って勢力には、焼き直しご苦労さんですとしか感じなかったりで、54回で取り上げた DJ CAM の新譜 が非常に愛おしく思えたりもした、のでした。

やっぱり、楽器は直感的で瞬発的にヒラメキを表出できる、シンプルなインタフェース(ツマミやパッド万歳)の方が、その人のクセや個性が顕著に現れるのと、イメージの源泉である脳にとっても、シンプルにイメージをアウトプットしやすく心地よいから、音に魔法が宿る瞬間ってのがあるんだろうなぁ、とか思ったり。