日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第92回 Ethan Rose の巻

Oaks

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でも先の項で書いた妄想(仮想)には、実は盲点があって。音楽ファン(死滅した種族である「大衆音楽」のファンではない)が新たに音楽を手に入れたいと思う契機というか、消費を喚起する触媒が、店頭や雑誌等の旧来的な接点ではなくなりつつあるからだ。先に言及したように専門店は次々に消滅してゆくし、外資系大型店も全体で見れば安泰ではなさそうだし、雑誌メディアも同様だし(そもそも月刊では情報が古い、雑誌が書店に並ぶ頃には専門店では在庫が無くなってる可能性の方が高い・・)、ましてやテレビにいたっては(そもそも音楽ファンが新たな音楽を知る接点として「テレビをアテにしていたのか」すら怪しい気がするが)、って感じだからだ。

他方で、ネット上のソーシャルな繋がりから消費を喚起されるケースが、増えている(というか、そう思わされてる?)のではないかと。が、これも盲点があって、いまやちょっと調べれば、YouTubeMySpace等で簡単に気になった音源をフルで聴くことができるので、よほど琴線に触れない限り、購入にまでは辿り着かないだろう。また、そもそも情報消費社会の帰結として蛸壺化し細分化された趣味(ジャンル/志向)の中では、たとえ繋がり上は友人同士でも、そこでPUSHされていたからといって、即購入って訳ではなかったりする。