日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜聴き倒れ伍拾:第9回 Talibam! の巻

Boogie in the Breeze Blocks (Dig)

Boogie in the Breeze Blocks (Dig)

このユニットも Akron/Family と同じく最近のブルックリン産で、同じようにゴチャマゼで様々な要素が「1曲の中で」目まぐるしく入れ替わり、これまた同じく「記号的=サンプリング」ではなく「身体的=人力演奏」で骨太に展開する感じというところまで近しい。で、Akronとの違いは、Akron が「米国的ロックの集積」とするならば、このユニットは「フリージャズ」というサラダボウルに、本当に様々な彩りの音楽要素を盛りつけた感じ。

この辺りの「ブルックリン産」音盤のゴチャマゼ感について、うまい言葉が見つからずにズーッと「消化不良」だったのだけど、この音を紐解くヒントはアーキテクチャとしての「町」のあり方なのかなぁと思うようになってきた。例えば「絶妙なバランスで均衡している混沌」そのものである「大阪の町」からボア関連のジャンクな音が出てきたように。

で、確かブルックリンという町は、通りを隔ててブロック毎に、イタリア系、ドイツ系、アフリカ系など、目まぐるしくコミュニティが入れ替わるような感じらしい。だから、Akronやこのユニットの音は「さながらブルックリンの町を車で移動した結果のような感じ」で様々なエッセンスが現れては消えて行きつつも、全体としての一体感というか、雰囲気に共通の基盤があるのではないかと。なんだか「消化不良」を解消できる程にはまだ言葉が練れていないけど(なんか、そんなのアタリマエじゃん、と言われそうなレベルの物言いだけど)、ひとまず「備忘録」がてら記しておくのであった。

http://www.myspace.com/talibam