新譜聴き倒れ伍拾:第9回 Talibam! の巻
Boogie in the Breeze Blocks (Dig)
- アーティスト: Talibam
- 出版社/メーカー: Esp Disk Ltd.
- 発売日: 2009/06/23
- メディア: CD
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このユニットも Akron/Family と同じく最近のブルックリン産で、同じようにゴチャマゼで様々な要素が「1曲の中で」目まぐるしく入れ替わり、これまた同じく「記号的=サンプリング」ではなく「身体的=人力演奏」で骨太に展開する感じというところまで近しい。で、Akronとの違いは、Akron が「米国的ロックの集積」とするならば、このユニットは「フリージャズ」というサラダボウルに、本当に様々な彩りの音楽要素を盛りつけた感じ。
この辺りの「ブルックリン産」音盤のゴチャマゼ感について、うまい言葉が見つからずにズーッと「消化不良」だったのだけど、この音を紐解くヒントはアーキテクチャとしての「町」のあり方なのかなぁと思うようになってきた。例えば「絶妙なバランスで均衡している混沌」そのものである「大阪の町」からボア関連のジャンクな音が出てきたように。
で、確かブルックリンという町は、通りを隔ててブロック毎に、イタリア系、ドイツ系、アフリカ系など、目まぐるしくコミュニティが入れ替わるような感じらしい。だから、Akronやこのユニットの音は「さながらブルックリンの町を車で移動した結果のような感じ」で様々なエッセンスが現れては消えて行きつつも、全体としての一体感というか、雰囲気に共通の基盤があるのではないかと。なんだか「消化不良」を解消できる程にはまだ言葉が練れていないけど(なんか、そんなのアタリマエじゃん、と言われそうなレベルの物言いだけど)、ひとまず「備忘録」がてら記しておくのであった。
- キーワード1:脱サンプリング(脱記号)としての骨太かつ高度な人力演奏への回帰(70年代プログレとの違いは?)
- キーワード2:アーキテクチャ(町的なもの)に音が規定されることへの回帰(単なるローカリゼーションではない、グローカリゼーションとして?)