日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

The Vaselines ライブ @サマソニ09

最初に再結成の下記ライブ映像を見て、「ユージンが爺さんに・・・」と正直ビックリし、やっぱり「アコギでゆったり大人のショータイム」なのかなぁと勝手に妄想して、「もうフニャモラじゃぁないんだ」と勝手に「がっかり」して、サマソニに行ったらきっと「失望して哀しい気持ち」になるかもなぁ、とココロの予防線を張っていたボクだったのです。

が、ココロの奥底で数年前に見た BMX Bandits の来日公演は「めちゃくちゃ良かった」じゃんか、ダグラスさん相変わらずの「フニャモラ&ポスト・パンク・ポップっぷりが最高だった」じゃんか、と思い直して、急遽前日になってサマソニ最終日のヴァセリンズを拝みに行くことにしたボクなのでした。

で、彼らがステージに現れ、1曲目から「Son Of A Gun」で、ガツンとアノラッキンなギターが鳴り響くなか「ユージンとフランシスのフニャモラボーカル」の掛け合いが始まった瞬間に、全ての不安が消失し、ジワジワと脳の芯から歓喜が拡がって、体も自然にユラフラ揺れ出したのでした。そして、ボクが大好きな「The Day I Was a Horse」や下記の「Oliver Twisted」辺りでは完全にクルパー&ニヤニヤで、傍目には気色悪い中年、ココロの中では20歳頃のアノコロに戻った自分が二律背反一つの体に同居するあり様なのでした。そしてラストの「Dum-Dum」に至って、サビ部分で「Dum-Dum」「Dum」と叫ぶボクがいたのでした。

いや、しかしこの人たち「Son Of A Gun」や「Molly's Lips」をとっとと済ませてしまう辺りのヒネクレ具合というか、フニャモラ&ポスト・パンク・ポップっぷりが最高です。あと途中のMCでなんか黒いこと喋ってたのにも「グふふふ」となりました。次に出てきた同僚のTeenage Funclub が「大人のショータイム」で「かちっと安定したサービス」を提供していたのとは対照的で、ヴァセリンズはやはりヴァセリンズでした。

ラモーンズもそうだけど、やっぱりヴァセリンズはシンプルな構成/コード進行の中にあふれ出る個性がとにかく特殊で、同じようなバンドは他には成立しえない、唯一無二の存在なのだなぁということを改めて&ハッキリと思い知らされました。ヴァセリンズ後のユージンとフランシスの活動も割と追っかけてた方だけど、やはり二人そろわないとこの魔法は実現できないのだなぁと思うことしきりだったので、このライブを体験できて本当によかったのです(感涙)