メタルは「生真面目」なのだ 〜 アンヴィル雑感
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9月のエントリーでメタルネタを連発していたこともあり*1、映画に関する重い腰を上げて「10年ぶりどころじゃない」ぐらいの久方ぶりにバウスに行きました。しかし、最新三件のエントリーしか表示しない当ブログで、9月のエントリーが余裕で鎮座しているところに、当ブログの怠惰ぶりが現れていますが、すいません、昼休みか早朝にしかブログを書く時間がないので「しょうがない」んですよ。
という言い訳はさておき、映画やバンドとしてのアンヴィルについての説明は今更なので省きつつ、この映画の雑感としては、メタルって哀しいぐらいに真面目な音楽なんだよね、ってこと。あ、ボクのいうメタルには「LA系パーティ・バンド」や「グラインドコア以降」は含んでません、あくまでも80年代前半に活躍した高度な演奏力や楽曲構成力勝負の様式美系のメタルを僕はメタルと認識しています。
正直、パンクは初期衝動ってぐらい、楽器歴0でスタジオ入ってもラモーンズのカバーとか、なんとか出来ちゃうんだけど、メタルは地道にギターソロ(それこそライトハンドやハヤビキ)の練習や曲の構成/展開、そして全員で「キメ」るユニゾンやブレイクをしっかり練習しないと、メタルじゃなくってコミックになっちゃうんだよね(想定:初期ドリフの音楽コント)。完コピってキーワードは「メタルのためだけ、にあり」といっても過言ではない(プログレはそもそもメンバーの技量がお子様のコピーバンドではなかなか揃わないので例外とする)。
ということで、非常に生真面目な音楽それがメタルなのです。どんなに悪魔とか下品なこと言ってても、所詮一生懸命楽器の練習をして、ゆるぎない「様式美」を頑なに演歌のように守り、そして生き方が不器用で結果的に滑稽に見えてしまう、うぅん、なんて真面目で愛くるしい音楽なんでしょうか。
という感じの雑念がジワジワと滲んでくる、そんな映画なのでした(まぁ、随所に仕掛けられた「ナカしてみようホトトギス」具合も、ハモリのツインソロさながら「まさに様式美」って感じで、映画自体がメタルを体現していてよかった余)。