日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜聴き倒れ伍拾:第37回 Siro Bercetche の巻


Siro Bercetche / Doido

ということで、ここから暫くは大洋レコードで購入したアルゼンチン/ブラジルの現在進行形なアーティストが続きます。ということで、まずは Siro Bercetche という、アルゼンチンのエクスペリメンタル・フォークなSSW。随所で「米国のアヴァン・フォークと同じような枯れたフレーズ」を音響的に鳴らしても、音の鳴る空間的な問題か、そもそもギターのアルペジオの鳴りが「米国とは全然異なるヒンヤリとした空気感」をまとっているのと、基底に土着性/フォークロア的な安定感(ときおり入るバンドネオンの音がまさにアルゼンチン的な)と異界感を強く感じる点で、根無し草なカラカラ加減が特殊な米国のソレとは全然違う不思議な音になるという感じ。まぁ、そのようなかたっ苦しいことは抜きにしても、エクスペリメンタル・フォーク作品として十二分に堪能できます(ある一定以上の英米音源を聴き漁って、飽和した均衡同質具合にうんざりしている方には、アルゼンチンはオススメです)。

http://www.myspace.com/sirobercetche