新譜聴き倒れ伍拾:第48回 erika machado の巻
Erika Machado / Bem Me Quer Mal Me Quer
コレは、ブラジル版のギタポ/ネオアコと言って差し支えない感じの音盤なのですが、最近の英米ギタポの「マンネリ/自閉感」に対し「モノスゴク開放的」で「自由濶達」に音を組み立てていて「純粋なポップス」としてもスゴく良い作品。erika machadoの柔らかく開放的な歌声とポルトガル語の抑揚が、全体として「春の陽だまり感(ギラギラ感ではない)」や「湯ったり感」を醸し出していて、なんというか初期Heavenly を彷彿とさせるというか。アレンジも、アコギやトイピアノ、電子音やブラス等が曲ごとに効果的に絡まって、全体の「陽だまり&湯ったり」感を巧みにコントロールしていて、これも素晴らしい(プロデュースは、ブラジルの渋谷系/フューチャー・ポップ筆頭てな感じの Pato Fu のジョン・ウリョアによるもの)。今年は、ギタポ/ネオアコ的な音盤に「ピンと来るものが皆無」という感じだったのだけど、渋谷系という「周縁」から派生した更なる「周縁」から、このような名盤が生み出されることの面白さを考えると、ネットによる「世界と個の関係の再編」による可能性を脳天気に期待したくもなるのです(00年代中期以降顕著な東&東南アジアのギタポ/ネオアコとは異なり、ブラジル/アルゼンチンのソレは、逆輸入されたサンバ/ボサ/フォルクローレ等との「地続き感」が独特で、グローバルとローカルのバランスが絶妙な作品が多いのです)。
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