日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

2012年の音盤探索模様を振り返る/其の参

って、一枚も2012年の新譜について言及せずに終わるのもアレなので、ベストアルバムは選べないながらも、各分野で気になった音盤を幾つかピックアップしてみたいと思います。

■ 国内編

gustave coquiot / Pony Blows
OGRE YOU ASSHOLEの「100年後」というのは、確実なトコロとしてありつつも、どうしても未知の音盤やアーティストを探してしまいたくなる質なので、その他で一枚となるとグルグル悩んでしまうのだけど、悩んだ挙句に選んだのが「発売されたのは2011年だけど、購入したのが一昨日」というこのアルバム。この「テープがノビタ」ような低い声のボーカルと、雪のように深々と降り積もる静寂とその重みが、他とは圧倒的に異質な気配を感じたので

■ 欧州/米国編

Soley / We Sink
こちらもコズレック先生やスワンズの新譜等というのは、確実なトコロとしてありつつも、やはり「新しい音」という観点では物足りなさが残るので、悩んだ挙句に選んだのがこれまた「発売されたのは2011年だけど、購入したのが今年」というこのアルバム。Peter Garland のピアノ曲を思い出すような硬質な気配で「音の隙間と余韻の生かし方」が好みというのがあるのだけど、それ以上にエレクトロニカにしてもその他にしても、やたらと隙間を音で埋めてしまうことへの違和感が強いので、こういう音にはグッときます。

■ 南米編

PASSO TORTO / Romulo Froes, Kiko Dinucci, Rodrigo Campos, Marcelo Cabral
こちらもリサンドロ君やフラノフの新譜等というのは、確実なトコロとしてありつつも、やはり「新しい音」という観点では物足りなさが残るので、悩んだ挙句に選んだのは「制作されたのは2011年だけど、輸入されたのが今年」というこのアルバム。アコースティック楽器の鳴りのハイレゾ感にまず引きこまれ、そして各楽器が複雑に組み合わさりながら「隙間とリズム」を構成する感じが、未来のサンバ的な感じでスゴく新鮮だったので。