日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

2013年の音盤探索模様を振り返る/其の弐

ということで、今年購入した新譜(再発旧譜/中古は除く)は47枚でした(相方より枚数が少なかった…)。アナログは適当に「取り敢えず」な収納を行った結果、今年の新譜がどこにあるか解らなくなってしまった(枚数的には10枚ほどの記憶)。

ということで(再)、この中からベスト・アルバムを選ぶとしたらと「グリグリ悩んだ」結果、結局一枚には絞れなかったので、また昨年同様に分野別に一枚選ぶことに…

【オッサンのハート鷲掴み/世界 KAWAII 大賞】

Peach Kelli Pop #2 [12 inch Analog]

Peach Kelli Pop #2 [12 inch Analog]

いや、このジャケが渋谷タワレコの「パンク新譜コーナーの試聴機」に並んでいるのを見た瞬間、オッサンの愚鈍なハートはグニャリと鷲掴みで潰れてしまいました(カ、カワエエ → ぐにゃり)。そして、お家に帰ってCDをセットして、この曲がかかった辺りで、言語化の手垢に塗れて薄汚くなったオッサンの「ソノ脳味噌までも」が潰れてしまいました(カ、カワエエ → ぐにゃり)。イヤホントに、キュンキュンし過ぎて脳味噌とハートがヒリヒリする程にヤラれました(呆)

【BASSの可能性が新たに拓かれた 次世代/マージナル 音楽大賞】

Vem Ver

Vem Ver

構成要素は「ベースと声とヒューマンパーカッションだけ」なんだけど、スゴく新しい音楽を演っている。ベースをこんな風に曲の軸に据えて、ベースという楽器の鳴りやその特徴を最大限活用して作曲編曲するって、あまり今までなかったのではないかと思う(単にリード楽器としてベースを扱っているようなフュージョン的な「演奏家」のコンテクストとは全然違う象限にいるというか)。なんというか、リズムやルートを支える役割としてのベースにとどまらず、ベースの鳴りのテクスチャーも作曲(と編曲)に活かしているというか、あくまでも作曲においてベースが軸になっていることがすごく新鮮というか、この曲がスピーカーから鳴った瞬間の「ビックリ感」は忘れられません。

【今年のベスト・アルバムと言い切りたいギリギリ手前の一枚=最優秀作品】

Images Du Futur

Images Du Futur

誰がなんと言おうが「このアルバムが今年一番グッときた一枚」そう断言できるギリギリ手前にいる作品(断言してもいいのだけど、どうしてもマージナルな音に惹き込まれる質なので、こういうピッチフォーク辺りが賞賛しそうな音をイチ押すのは迷いが、とか思ってたら、なんナンだよピッチフォークさんよぉ この点数 って、怒…)。なんとなくオウガとの共通項を強く感じるのだけど(同じ感想をモンチコンの人も書いていたことを後で知った)、音の構成要素の引き算や音色/音源の選択具合から推測するに、おそらく両者は別のコンテクストから現れつつも、結果として同じ象限にいるというか。そして、やや脱線するけれど(根幹は脱線していないが)、ギターレス(もしくはギターは単音しか弾かない、アンチコード!)のツイン・ベースバンドとかが主流になる時代、とかが来るとしたら、僕はそれを待ち続けたいと思うのだ。