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日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第1回 Akron/Family の巻

Love Is Simple (W/Dvd)

Love Is Simple (W/Dvd)

「ヘッド博士」が高度に過剰な自意識で、現在/過去及び世界中の音楽を横断的に編集した90年代的な「編集的音楽」だったとすると、Akron/Family のこのアルバムは、多様な時代や地域の音楽を「過剰な無意識」で、まるで鼻歌でも歌うようなカジュアルさで集積した、とでもいうようなそんなアルバムなのでした。

前者の「編集的アプローチ」は、今聴き返すと過剰な自意識故の「ガチガチな気負い」や「この音の起源はコレで、それを辿るとコレがあって云々」というような系統的な音楽ツリーを探求した成果的な「ルーツ探求の学問的な気配」を感じてしまうのだけど、Akron/Family のこの2007年のアルバムは、自分の周りで鳴っている自分の好きな音をベッドルームのDAWソフトで寄せ鍋風にゴッタ煮してみました的な、そんな天然具合というかを感じてしまうのでした。或いは、音楽ジャンル等で細分化され専門化されたアメリカのラジオ局の幾つかを適当に順次ランダムにチューニングにしてゆくかのような、というか・・・

いや、本当に物凄くいろんなネタが次々と現れては消えて行くので、冷静に「考えて聴く」と突拍子もないなぁと「考える瞬間がある」のですが、実際には不思議なぐらいに自然にそれらの素材が流れては消えてゆくので、「考えて聴く」ような瞬間は殆ど訪れることがないのです。

いやもうホントに「ネタ」であろう元素材については「それらをツラツラと並べて、系統的な音楽ツリーを体系的に示すことにはまるで意味がない」と思えるのであえて書きませんが、その無意識過剰な天然ゴッタ煮が醸し出す、濃厚な御出汁具合に38歳のオッサンリスナーである当方は、そのジェネレーションギャップに新年早々グニャリと衝撃を受けました。

ということで、目標達成まで残り99枚