日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第80回 Beach House の巻

Devotion

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そいえば、年初に『個人的には「脱CD」というか、そもそも「アルバムという形態でのパッケージング」からの離脱である「脱アルバム/NOTシングル」という流れは、世の中的には抗し難く加速してゆくのではないか』とか書いたけど、ボク個人に関しては、まったく逆でした。むしろ、アルバムに対する依存度の方が上がったというか、買い方として、アルバム全体の時間を通して一定の空気感や気分を貫いている音盤を選ぶことが、結果的に多かった気がします。

まぁ、「三分半の魔法」って感じの、60年代ソフトロック的な宮廷職業作家的な楽曲も相変わらず好きなのですが、どちらかと言うと、脱構造/脱楽典というかなドローンやフィードバックのレイヤーサウンド系音楽をダラダラと聴く方が、本質的にボクの性分にあっている、からなのでしょう。そんな訳で、ボク個人としては「アルバムという形をなくすなら、1曲45分以上のシングル作って余ね」とオネダリする他ない訳なのです。まぁ、レイヤーサウンド系音楽はダラダラ演奏可能なので、創り手にとっては「曲の終わり時」が難しかったりするので、そもそも短くできないかも。まぁ、でも超長編小説がプツって感じで突如終わることがあるように、長編音楽も、継続している時間の間にこそ価値や喜びの源泉があって、そのクライマックスには別に何もない、ということもあるから、そういうことか、とか。