日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

新譜100枚聴き倒れ〜第76回 Hercules and love affair の巻

Hercules & Love Affair

Hercules & Love Affair

あ、モダ〜ン・ミュージックで思い出したけど、この Hercules and love affair のアルバム、「ゆら」の坂本氏が今年よく聴いた一枚にあげていたけど、たしかになんか「空洞です」と地下水脈で繋がっているような、そんな音だった。なんというか、おのおのが個別に別の場所で、別の時間で音楽を探究している内に「自然と繋がってしまった」みたいな、そんな感じ。

きっと双方に世界各地の雑多な音楽を吸収して、あるいは探求のご褒美で耳が肥えてゆく中で、それが潜在意識の井戸の底から地下水脈で綱がって、同時発生的に同じ空気感(気分よりは固着性が高い何か)を表出/録音として固着化するに行き着いたのかもしれない。或は、単に聴き手としてのボクの主観的な問題でしかないのかもしれない。

しかし、「ゆら」が Hercules and love affair と同じNYのレーベル「DFA」と契約というのも、おもしろいなぁと思う。いや、音楽シーンは確かに細分化され極小化され、見通しが異様に悪くなったのかもしれないけど、細分化の内訳レベルではグローバルに散在する個人を結びつけて構成されているのだなぁ、というのが、本質的には素晴らしいことであるなぁ、と音楽オタクからすると、思える訳なのです。