日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

年末だから、2010年の音盤探索模様を振り返る/其の壱【NATUレコ】編


Maurice Deebank / Inner Thought Zone試聴】【購入

見出しの「NATU」は「懐かしい」と「夏」の相ガケです。そうです、今年といえば「記録的な猛暑」ですが、その水面下では「猛烈な FELT 熱」をブリ返していたボク(オッサン)なのです。そヌな訳で、ブリ返しに伴う購買衝動により、FELT 諸作をアナログで購入しようと中古盤を漁ると、大手中古盤屋さんでは800円のオンパレード…西新宿某店や心斎橋某店では「動かぬ在庫」故なのか「相応な高値」で売られていたので、双方の事情を勘案して、なんだか「切ない気持ち」になりました。それはともかくも、やっぱり FELT はいいなぁ。僕は本当にこういう音が根っから好きなんだなぁ、とツクヅク思い至りました。
ところで、若者だったボクが最初に聴いたのが、既にバンド末期な「微睡みの果てに」なので、ダフィーさんのオルガン主体な後期への思い入れが刷り込みレベルで強かったンだけど、オッサンになって、こうして順番に最初からまとめて聴いてゆくと、モーリス・ディーバンクのギター主体なチェリーレッド期の方が、オッサンなボクには「スッと」ココロに染み込んでくるのです。う〜んと、なんというか、もう決して手に入らない「若さ故の鬱屈」がキラキラと美しく結晶して昇華されるかのような、そんな美しくも儚いクリーントーンアルペジオに、オッサンはもう「ノンアルコールなビール風飲料片手」に心がメロメロになってしまう、のでした。そんな訳で上掲のモーリス・ディーバングのソロアルバム “Inner Thought Zone(ギターインスト作品集)" は、Ryan Francesconi や Early Songs やラジオゾンデのお二人の音が注目された、まさに「今年にこそ聴かれるべき一枚」だったのではないか、とオッサンは強く思うのです(ホントに名盤)。