日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

"エポックメイキング" だった00年代のアルバム五枚

00年代が終わり、今日から10年代です。って10年代って言いにくいので2010(にーまるいちまる)年代、略して「ニオイ〜年代」と呼びたいと思います。ということで「ニオイ〜年代」の音楽を「裏ナウ」うえではやはり「00年代にエポックメイキングだった作品を振り返る」ことから始める必要が、あるのではないかと、そんな風に思ったものですから、ちょいとアルバムを5枚ばかし、主に米英以外の「周縁(09年の聴き倒れテーマ)」から選んでみました余。ということで、ジャケ写を並べつつ、ヒトコトコメントを加えつつ、さらに関連する「過去の自分のエントリー」を貼ってゆきます。

domotic / bye bye (2002年)

とにかく未来の音楽ってこんなかなって、02年当時ビックリ&腰抜かしたフランスのエレクトロニカ作品。続くセカンドではエレクトロニカを超えたフューチャーポップの世界へ単身フライアウェイ(超名盤)して、いまだ誰も追いつけていない…

http://d.hatena.ne.jp/cliche/20081231/
my little airport / 在動物園散歩才是正經事(2004年)

渋谷系/ギタポがアジア(韓国/台湾/香港/タイ/インドネシアほか)に広がり始めた頃、香港から現れた「ギタポでもエレクトロニカでもない不思議な雰囲気」を醸し出す作品。しかしアジア勢は、00年代の国内の渋谷系フォロワーより断然良いです、ホントに

http://d.hatena.ne.jp/cliche/20050129/
Nunki / Kahimi Karie(2006年)

08年の妙本寺ライブで、生の根源から湧き上がる身体性を体現した「音響」を鳴らすカヒミをみて、ようやくこのアルバムの良さが理解できるようになりました(最後の「サービス、サービス」な曲を入れなきゃ最高なんだけど)

http://d.hatena.ne.jp/cliche/20081007/
39° / Lisandro Aristimuno(2007年)

07年と09年のベストに挙げたこのヒトについては、もう手放しでベタ褒めする他ないのです(降参なのです)。新しい音楽との出会いを求めている方は騙されたと思って彼のアルバムを聴いてみてください、なのです余。

http://d.hatena.ne.jp/cliche/20071231/
http://d.hatena.ne.jp/cliche/20091231/
Akron Family / Love Is Simple(2007年)

このバンドとの出会いは、京都のNYパンク好きなマスターが営む某酒場で「これスゴクよいよ」って教えてもらった07年の暮に遡ります。いやはや、07年のこのアルバムの「ごった煮」具合の理解不能な衝撃は今でもカナリコブラに忘れられません。

http://d.hatena.ne.jp/cliche/20080114/
http://d.hatena.ne.jp/cliche/20090522/

こうしてみると、00年代とは、グローバリゼーション with ネット社会という00年代的な所産として、モノと情報がリアルタイムに「相克しつつ交わる」場としての「新たな周縁」が米国という「中心」の外側に発生したという時代背景ゆえに、そこから副次的に生み出される「周縁的な作品」が圧倒的に面白かった時代なのではないかと、そう思うわけなのです(米英が過去の焼き直しによる微妙で微細な差異の視野狭窄に陥っているのとは対照的というか)。

※お知らせ:一昨年から始めた新譜発掘企画【新譜聴き倒れ】も宜しくです。

それと、個人的には「黒人音楽を全然聴かなくなった10年」でもあるんだよなぁ。90年代はソウル(甘茶とサザン)、ヒップホップ(ニュースクール)、ジャズ(フリー)、レゲエやダブ等を聴き漁ってたんだけど、00年代は新譜/中古ともにあまり買わなくなったなぁ。というか、クラブミュージック全般に興味を失ってた、ってのもある(昨年の 2562 で、ヌなってなった以外は基本的に殆ど反応せず)けど、これはボクが20代から30代になって、イマまさに40代に突入したから、って年齢的な影響なのか、単にシーンが90年代ほど面白くないのか(即ち、米英のシーンの停滞感のヒトツの形なのか)は、単純に気になるところではありますが。はてさて、ボクの40代そして「ニオイ〜年代」はどうなるのやら…

ということで、本年も宜しくお願い致します。