日々常套句

2003年からホソボソと「退屈に関する思索」を亀の歩みで行う退屈研究ブログ(自称)です

ストレートよりもブレンド贔屓(以下は未消化>意味不明)


まるで「真夏のような日差し」に「五月の湿度」が絡みつく土曜日の昼下がり、大井町線九品仏の駅前商店街を相方と歩いていたら、見覚えのある名前のお店があった。それは、西永福にあったハズの「R&J」というゼリー屋さん。ここのゼリーは、実家が永福町にあったころ、ご褒美系デザートとしてキラキラと君臨していた逸品で、とにかく食している間の数分間はまさに至福のヒトトキだったのだ。

実家から離れてからというもの、食する機会がなく「あーたまには食べたいものだ」と夢想していたのだが、偶然立ち寄った九品仏の駅前商店街で、まさかバッタリ出会うとは!*1と、お店を発見した相方に感謝/敬礼しつつ、お店の中に入ると、懐かしきあの「クリスタルカラーの華麗なレイヤー」が美しい、麗しきゼリーたちが並んでおり>さっそくその場で頂くことにしました。で、相変わらずゼリーが非常に美味なのは言うまでもないのですが、驚いたのがご主人の御好意で頂いたアイス珈琲を啜ると、これがまたアイス珈琲なのに酸味がきつくなく、スッとあっさり舌先に苦味が広がってふーっと消えてゆく、非常に美味な珈琲だったのです。

で、聞いてみると、珈琲はご主人がブレンドしているものらしく、ゼリーを始める前から珈琲が専門で、しかもブレンドに力を入れてきたとのことで、なるほど「だからゼリーも【ブレンド】なのか」等と合点してしまいました。確かに素材本来の旨味に主眼をあてた、ストレートもよいのですが、ボクはお店の個性というか/思想が如実に現れるブレンドが好きなので、時節や客層に即して様々な素材を抽出し体系化してゆく、ご主人のブレンド(珈琲とゼリー)に対する哲学は、とても興味深いものがありました*2


なんというか、素材を本来のコンテクストから切り離して、新たなコンテクストの体系に組み合わせ再構成する音楽のMIXもそうですが、オリジナリティとかクリエイティビティってのは、こうも物質や情報が増加膨張しきった消費社会においては、天然素材100%って按配のストレート珈琲の方向ではなく、ブレンド珈琲的な方角にこそあるのだなぁと、感じた次第でありました。

*1:今年の四月に当地に移転してきたのだとか

*2:詳細はここで書かない方がよいかなと思うので、興味がある人はお店に足を運んでご主人からお話を伺うことをおススメしときます